第258話 初めてのダンジョン攻略
ゴソという男のしびれお香に引っ掛かったロードたち。
身ぐるみを剥がすところを、復活したベアラベによってパニックになり、逃げだそうとするゴソ。
そんな中、ロードは襲われそうになるゴソを助ける行動に出るのであった。
スワンが指を振り、ベアラベの周りに水を動かせて撹乱する。
「グオオオオオオオオオオ!!」
その隙にゴソはしびれて倒れているロードたちの元へやって来た。
「オイ! アイツはなんでオレだけを狙ってきやがる!」
「いいからその場で死んだふりをしてくれ……それで魔物は大人しくなるはずだ」
ロードが早口に言う。
「グオウ!!」
撹乱する水を振りきったベアラベ。
「…………?」
動くものが無くなったので大人しくなった。
「動くな」
ロードが床に伏せて死んだふりをするゴソという男に対して言う。
「おい、いつまでこうしてるんだよ」
「俺たちが動けるようになるまでさ……」
ハズレが冷静に言う。
「ハァ!!」
「助けてほしいならしびれを取る薬をくれないか? あなたが動けるのはそのおかげなんだろ?」
凛々しい顔つきのロードが言う。
ゴソは観念したのか懐を探り三枚の葉っぱを取り出す。
「わかったよ――ホラ! しびれ取りのカチキ草だ」
葉っぱをハズレ、スワン、ロードに渡す。ハズレは苦そうに噛み締め、スワンも口をすぼめた。このことから味は相当苦いことがうかがえる。しかしロードに関しては平気そうだった。
――ゴクン、3人は葉っぱを飲み込み、しびれを取った。そして立ち上がる。
「力がみなぎるいい苦みだ」
ロードが立ち上がりながら言い、ハズレ、スワンも立ち上がる。
「グオオオオオオオ!!」
動くものを見つけたことでベアラベは攻撃対象を見つけた。
「水霊の槍!」
精霊の術で魔物の腹部に水の槍の攻撃を与えるスワン。
「それ!」
火薬玉を投げ込んで燃える剣を振り、火の粉を火薬玉に当て顔面に爆発を食らわせるハズレ。
「最初の一撃!」
ロードは青き剣を右手にベアラベの腹部に突っ込んだ。そした10メートルの剣を出しベアラベを切り裂いた。
「グオオオオオオオオ!!」
ベアラベは魔物特有の霧散化に陥って消えて行った。
「す、すげーー」
ゴソは起き上がって呟いた。
ロード、ハズレ、スワンの3人はハイタッチをして勝利した。
◆ ◆ ◆ ◆
ダンジョン最奥。
ゴゴゴと音を鳴らせてロードとハズレが重そうな扉を開いていく。
「見ろ服だ」
そこには男性用の服装が2着、女性用の服が1着。台に安置されていた。
「これが宝? ただの服じゃないか……」
「けど……結構よくできてる」
「誰の物だろう」
3人は何の変哲もない感想を口にした。
「オイオイ、ダンジョンで宝を見つけてその反応は何だよ……フツーにいいもんだぞ。ここはきっと服を作ってたヤツが作ったダンジョンなんだ。そいつのたぶん一番の傑作なんだろう」
ゴソが突っ込んだ。
「何で作った服をわざわざこんなところに保管しているのさ」
「よし出よう」
ロードが踵を返す。
「オイオイせっかくの品を持って行かねーのか」
「人の物じゃないか……」
「バーカ、もうとっくにこの服の持ち主は死んでるよ!」
「「「!!」」」
「ダンジョンってのは何10年何100年も前の故人の宝物庫、金庫なんだ。むしろ取って行かなかったら、誰か別の奴が取っていくだけだ」
「そうなんだ」
スワンが呟く。
「あなたはいらないのか?」
ロードが訊いてみる。
「ああ……形はどうあれ、命拾いしたからな。命の恩人に譲らない程、人間捨てちゃいないってことだ」
今までのことを詫びるかのように喋るゴソ。
「それなら、せっかくだし貰って行こう」
「どうせ取られるだろうしな……いいかロード」
「まぁ……そう言うことなら構わないんじゃないか?」
「はぁ~~まったく世間知らずにもほどがあるぜ」
「ゴソと言ったか?」
「ああ」
「生きるために死体から物をあさっているんだな?」
「そうだよ。言っとくがやめねーぞ。生きる為なんだからなぁ」
ロードはその言葉を受けて少し考え、
「……………………まぁ、生きる為なら仕方ない。目をつむろう。だが……」
「?」
「生きている者からは何も奪わないでくれ」
「ちっ、それが命を奪われそうになった奴のセリフかよ。甘すぎるぜ。オレが悪かったもう生きている奴からは何も取らねーよ。命の恩人に誓って取らねーよ」
ゴソはその場で膝を落とし、自分の悪行を認め、泣き出していた。




