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第215話 空から降ってくる魔物たち

 メルクエム城に魔物が突然乱入して来た。


「ここは任せたぞ戦士諸君」


 大臣の一人が任せる。


「はっ!」


 戦士が答える。


「王よ我々は安全な場所へ」


 もう一人別の大臣が言う。


「うむ」


 メルクエム王がさがる。


その時、城にはどこからか飛んできた顔の尖った四足歩行の魔物が大量に貫通してきた。


「――敵襲敵襲!!」


 その時、カンカンカンと鐘の音がメルクエム城に響き渡る。敵襲の合図だった。


「何だ、何だ何の騒ぎだ!」


「ゲンガ戦士長! 敵です!」


 走ってきた戦士が報告する。


「敵だとどういうことだ!?」


 ゲンガ戦士長は困惑していた。


「ご覧の通り空から魔物たちが降ってきていて……」


 一人の戦士の言う通り今も一体づつ魔物たちが降ってきている。


「だからなぜ魔物が降ってくる!」


「わ、分かりません」


「ゲンガ戦士長指示を!」


 もう一人の戦士が指示を仰ぐ。


「止むおえんな、ゲンガ隊メルクエム城に襲撃した魔物たちを駆除せよ!」


「「「了解!」」」


 戦士たちが応戦態勢に入った。



 ◆ ◆ ◆ ◆



 メルクエム国・中央地・大通り。


「どういうことだ……」


 今しがたメルクエム城から出発した第二波ミンド隊が、空から振ってくる魔物を見ていた。


「キャーーーー!!」「ワーーーー!!」


 メルクエム城だけでなく民家にも落ちてきていて大惨事である。


「!!」


 鎧姿に身を包み馬に乗って走るミンド戦士長が前方を見た。


「ゴアア!!」


 顔の尖った四足歩行の魔物が吠えていた。


「「「わあああああああああああ!」」」


 国民は逃げまどっていた。


「街の中にまで……全員馬から降りて武器を構えよ!」


 ミンド戦士長が馬から降りる。


「――ミンド戦士長!? それは!?」


 第二波という役割を一時的に捨てなくてはならなくなった。


「我らが民の命を守る! 全軍応戦せよ!」


『『『オオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』』』


 戦士たちが武器を手に取る。



 ◆ ◆ ◆ ◆



 メルクエム国・城内。


「ああああああ!!」


 一人の戦士が顔の尖った四足歩行の魔物に食われかけていた。


 サッと横から走り切り込む者が現れた。


 ズバンと魔物を斬り伏せて、霧散化させる。


「無事かい?」


 助太刀に入ったのはハズレ・マスカレードだった。


「ああ、ありがとう助かった」


「一人でかかるな。数人で戦え……」


 一人の戦士に助言する。


「あんたは?」


「見ての通り一人で大丈夫さ、さぁ行ってくれ」


「分かった。あんたも無理しないでくれよ!」


 走り去っていく戦士の一人。


 その時、

(バリスガオだったか……顔を鋼鉄で覆われた凶暴な魔物絶対に飛ばないような魔物が、何故空から降って来た。どうなっているんだ?)

 ハズレは考察しても答えは出なかった。



 ◆ ◆ ◆ ◆



「うわああ!」「あああ!」


 ダダダと走っていく一体のバリスガオ。戦士たちを次々負傷させていく。



 ◆ ◆ ◆ ◆



「バリスガオ、厄介な奴だA級の魔物」


 城の廊下の窓から下の広場を覗く男はブースタード、バスタードが団長とすれば、この人は副団長であった。


「前方の攻撃は通りづらい」


「どうしますブースタード副隊長」


 背後から声を掛ける魔物狩り達がいた。


「壁際に引き付けて突っ込ませろ……そうすりゃあ顔が壁に埋まって隙が出来る。その間に背後から攻撃だ。戦士魔物狩りに問わず伝えろ……」


「わかりました。直ちにそう呼びかます」


 その時、


「――――!?」


 廊下の壁をドオ―ンと空からぶち破って侵入してきた魔物がいた。


「フーーーーバカデカテの奴、こればっかりはいい仕事してやがると賞賛してやる」


 魔物が喋る。


「お前は伝達だ」


 ブースタード副隊長がもう一度声を掛ける。


「――はい」


 タタタと廊下からバリスガオと戦う者たちへと駆け出す魔物狩り。


「バリスガオじゃない」


 一人の魔物狩りが言った。


「全員! 武器を鈍器に切り替えろ!」


「ブースタードさん!」


「まさかアレが――――」


「ああ、バスタードさんと話し合っていた魔物と情報が一致している。間違いない。アレが暴れ亀タテトル」


 ブースタード達総勢50名の魔物狩りが鈍器を構える。


「まずはゴワドーン様の命令を遂行するとしよう。その後は……」


 タテトルが戦闘態勢に入る。



 ◆ ◆ ◆ ◆



 オーイワ国・断崖絶壁。

 バカデカテが同時刻バリスガオを手で握りメルクエム国のある方角に向けて投げ込んでいた。


「今のが最後のバリスガオだな?」


 バカデカテが振り返って部下のドデグという粘土人形のような魔物に話しかける。


「はいバカデカテ様75体目です」


「ならば次は岩を投げ込む」


「は、はい!!」


「人間どもさっさと持って来い! 死にたくなければな!」


 台車に積んだ大きな岩を二人で牽く男性たち。


「しかし送り出したばかりのタテトル様に大きな岩は危険では……?」


 部下が意見する。


「この程度、タテトルなら何とない……バリスガオなど所詮は足止め……人間どもにさらなる混乱を強いることで恐怖を植え付けるのだ」


「はい!」


「この目で見られないのが残念だが、奴らもこちらが何をしているか見えんだろう」


 ガシッと大きな手で大きな岩を掴むバカデカテは遠く離れた国メルクエムまで岩を飛ばし放った。


 更にもう一本の腕で次の大きな岩をを取る。


「安全に、確実に、迅速に、これが我らの戦い方だ人間ども」


 不敵に笑うバカデカテであった。

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