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第147話 魔物大図鑑を買ってきた

「魔物大図鑑、魔物大図鑑……あったこれか!?」


 ロードはある書店に入っていた。

 そこに居たのは、スワンに『魔物のことを全然知らないですって!?』と言われ、自分の金貨を持って魔物を知るために図鑑を買いに行ってらっしゃいと言われたからである。

 そして書店に入り魔物の図鑑を発見した。どうやらこの異世界には魔物が住み着いている世界の様だった。

 この異世界の文字は読めなかったのでスワンに頼んで、魔物やら怪物やら図鑑やらの文字が書かれたメモを持って探し出した。

 そうして会計を済ませようとレジに向かって行く。


「おじさんこの本をください」


「ん~~魔物大図鑑か~~兄ちゃん魔物狩りでもなるきかい?」


「魔物狩り?」


「何だい知らないのかい? 魔物狩りって言うのは魔物を狩ることに特化した職業のことだよ」


「へ~~そんな職業があっるのか~~、でもオレの職業は勇者だから魔物狩りとは違うのかなぁ」


「ゆうしゃ? 何だいそれは?」


「いやこっちの話こっちの話、とにかくこの本を売ってくれ」


「まぁいいが、金貨一枚は貰ってくぞ……」


「わかった金貨一枚だな」


 ロードは懐に忍ばせた財布の中から、金貨を一枚取り出してレジの上に置いておいた。


「あいよ~~、まぁ何でもいいが魔物には気をつけなよ、兄ちゃん」


「ああ、分かった。ありがとうおじさん」


 そうして魔物大図鑑を持ちながら書店内から出て行った。



 ▼ ▼ ▼



 ルール―街。

 書店外へ出ると、既にこの異世界は夜へと差し掛かっており、スワンの調整時計を見たくなるほど暗がりだった。


(さて、無事目的の本も見つかったしスワンの元へ帰らないとな)

(この本凄く分厚いけどそれだけ魔物の種類が多いってことか)


 などと思いながら夜道を歩いていく。


 そしてこの異世界へとやって来たスワンのいる荷船に帰って来た。


「お~~~~い! スワン、買って来たぞ!」


「あっロード! もう店仕舞いにしようと思ってたところなの。ちょっと片付け手伝って――」


「ああ、分かった」


 荷船の構造は複雑だった。この荷船一見は船のように見えるが実際はカウンター付きの大型船だった。

 この馬車二台分の大きな荷船はシャッターで店仕舞いするので女性の力ではかなり折れる。

 そして手伝ってくれる人が出来てスワンは機嫌が良くなっていた。

 急いでスワンの元へ駆け寄り、荷船のシャッターを上から下へと降ろしていく。

 

「その顔の様子だと無事、魔物の本は買えたみたいね。どんな本になったの?」


「魔物大図鑑2000ぺージ、総勢5000の魔物の図鑑」


「凄い豪華な本じゃない! いくらかかったのちゃんと買える金額は持って行った?」


「うん、一冊金貨一枚で打ってくれたよ」


「うっそ、安い」


「他にも同じ本が何冊も並んでいた」


「そうか、この異世界では魔物が出ることが当たり前みたいな異世界だから、皆の必需品なのかもね」


「それより飲料店にお客さんは来たのか?」


「ダメだった。おいしい水だって宣伝したのに、誰も買って行ってはくれないし、逆にビールやエールじゃないならいらないって言われた」


「この異世界ではそう言う飲み物が主流なんじゃないのか?」


「たぶんそうね……子供もアルコール抜きでの飲み物は売ってませんかって言ってたくらいだし」


「あるこーる?」


「大人には刺激的な成分のあるモノらしい」


「ふ~~ん、で、今は何時だ?」


「えっとよるの8時よ。ロードが仕事を放っておいてから50分経ってる」


「そうか随分サボってしまったな……」


「別にいいから、お客さんも来てないし……」


「じゃあこれからどうするんだ? この異世界では飲料水も売れないから別の異世界にでも行くか?」


「それも考えたんだけどねぇ……ただ最近ドルちゃんを働かせすぎだと思うの」


「どういう意味だ?」


「つまりね、魔王フォッテイルに何度も何度もわたしは追いかけられていたでしょ?」


「ああ、確かそんな話をしていたな……」


「それで何度も異世界から異世界へと移動して疲れちゃったみたいなの」


「だから、どうした?」


「察しが悪いなぁ……ちょっとは休憩させてあげようってこと……」


「ああ、そういうことか」


「何日かこの異世界に留まるかもしれないけどいいかなぁ」


「オレは構わないぞ、せっかく買った魔物大図鑑で暇つぶしも出来るし……」


「そう、じゃあ決まり……」


 スワンは人差し指の隠者の指輪を使って荷船を透明化した。一応言っておくとそこは大きな町の一角だった。


「じゃあ、一緒にどこかで夕ご飯にしましょ……」


「ああ、分かったどこで食べる」


「それはもう食べ物屋さんで……」


 二人は夜の街頭を進んで行く。


 その背後には不審な連中が近づいているとも知らずに……

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