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第十二景 連休には郊外で宿泊を【パイナップル】
外泊、楽しいんですけどね。
長期の休みには、観光地への旅行が増えるが、数日の連休では、郊外への宿泊にとどまることが多い。
それでも、都市部の現在人口はその数日間、劇的に減少し。逆に、その周辺部には輪を描くように、ひとが集まる地域が存在する。
中央たる都市部に空洞をつくり、周辺の郊外への瞬間的な人口密集をうむ、連休型の現在人口推移。
似た形態である、常住人口の描く輪をあらわすドーナツ化現象と区別するために、こちらは「パイナップル化現象」と名づけられたけれども。
南国のフルーツから連想されるリゾート感が、連休の人々の心理や行動原理を象徴するなかなかのネーミングだとおもうのだが、残念ながら定着はしなかったようだ。
《出典》
「いくつ知っているか? マイナー現象事典」(獣明書房)