表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある異世界の黙示録 -蒼い守護者の物語-  作者: 誠珠。
第五章 雪の国 スノーレイン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/269

雪の国:後日談

 アリスお姉様たちが出立して幾年の月日が流れた。


 前王である父が引退して、すっかり大人になってしまった、私、ガーネットが女王として君臨した。はじめは緊張と不安でいっぱいだったが、父が王としての務めを間近で見せてもらいっていたからかすぐに女王としての振る舞いや業務も問題なくこなせている。


 あの時は国を立て直すために父も残っていた大臣たちもかなり苦労していたのをよく覚えている。


 私もどうにか手伝えるところは目一杯した。サッピルスと一緒に街まで降りて国民の声を聴き、それを父のところまで持っていって改善策を立てたりと目まぐるしい日々だった。


 それが今ではかつての活気と美しさをこの国は取り戻すことができ、それと同時に父は引退し、私が女王として今がある。



「あの時、あの日の出来事は今でも忘れられませんね。サッピルス」

「えぇ、女王様」



 サッピルスは私の宰相としてこうして今も一緒にいてくれている。たまにオパールの仕事ももちろんしながら、部下の方々を鍛え上げているそう。鬼の形相でする姿はかなり怖がられているらしい。



「オパールの方々は最近はどうですか?」

「まだまだですね。グレン殿にでも勝てるようになるまで鍛え上げていくつもりですが、程遠いです」

「グレン様はお強いですからね……。なかなか厳しい道のりでしょうが程々にしてあげてくださいね」

「ふふ、できるだけ善処致します」



 これは多分より一層厳しくさせてしまったかもしれない。部下の方々、申し訳ございません……。



「さて、サッピルス。街に行きましょう。いつもの偵察です」

「かしこまりました」



 女王になってからもこれは続けている。お城にずっといても届かない声もたくさんあった。父にお伝えする時にそれを痛感して以来、自分の足、もっと裏の事に関してはサッピルスと協力して一つでも多くの声を拾えるようにしている。


 いつもの姿のまま、街に降りると必ず行くところがある。それはアリスお姉様たちの銅像にお祈りをしに行くことだ。この国ではあの方々は英雄に等しいため、あの時にお姉様にお願いして建てさせてもらった。

 ただグレン様には断られてしまいましたが……。



「ここにグレン様の像もおきたかったんですけどね……」



 建てたいことをお願いしたけど、絶対に嫌だと断られてしまった。もっとお願いしたらよかったと少し後悔している。ここにあれば毎日でもお祈りをしたいくらいあの方には感謝してもしきれない。


 あの時、助けていただいたとき、どんなに救われたのか……。そして私の初恋のお方だ……。


 なんて思い出に(ふけ)ていると後ろから懐かしい声が聞こえてきた。



「おい、アティ、引っ張るな」

「確かこのあたりって聞いて……あ!ほらありましたよ!お父さんたちの銅像!」

「ん? うわ……。やはり私は作らせなくて正解だったな……」

「あはは、おじさま見た目ずっとそのままですからねぇ。ある意味目立ちそうです」

「公開処刑もいいところだ」



 そんな声が聞こえて振り返る。


 あの時助けてくれた懐かしきお方。そしてその方の隣にいらっしゃっていたのは私と同じ背丈の薄い黄色の髪、プラチナブロンド色の少女がいた。振り返ったことであのお方が私に気付いてくださった。



「ん? あ、ガーネットか?」

「はい、はい!お久しぶりです!」

「おじさまこの方は?」

「あ、申し遅れました。わたくし、この国の女王、ガーネット・スノーレインと申します」



 挨拶をしながら改めて少女を見ると、あの時ご一緒に助けていただいたアッシュ様と瓜二つの少女。



「お初にお目にかかります。女王様、私はアティ・アウロラフラムと言います!」



 にっこりと笑う少女の笑顔はなんとも優しく可愛らしいものだった。

雪の国お話はこれで終わりです。次回、新章に入ります。


……本当はエブリスタで書いたときと内容がだいぶ変わってしまいましたね。簡単に言うと雪の国、もっと平和でした。グレンもここまで予定はなかったけど満足してます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ