プロローグ
お久々です。やばいくらい忙しいです。休みが欲しいこの頃です。
月夜に照らされた一面に広がる花畑。
本来であれば幻想的で、とても綺麗な光景になるはずのこの場所に、多くの血が広がる。
その中心には金髪の青年が剣を片手に息を切らしながら、あたりに散らばる死体を、歯を食いしばって睨みつける立ち尽くす。
そして悔しそうに地面に剣を叩きつける。カランッと剣が音を立てながら地面に転がっていく。
「くそ!!」
彼女たちが何をしたんだ。狙いは僕だったはずだ。だったら僕を狙えばいいのに!!
なんで関係のない、彼女を殺して、こんな……ッ
「こんな!! こんな、ことなら、早く……僕が、戻ってくれば……!!」
青年は瑠璃色の瞳から涙を流し、泣き崩れながら膝をつく。
心からの叫び、止まらない憎悪。ここにいた奴らを殺しても殺しても収まらない怒り。
後悔と言いようもない、グシャグシャな感情に押しつぶされそうになりながら、ずっと泣いていた。
そんな時だった。
「うっわ、なにこれ。悲惨な状態じゃない」
青年は声の主の方を見る。
それはとてもとても綺麗な純白の髪に毛先が紅い、神子特融の髪色をした少女が立っていた。
靴についた血を払いながら、視線がこちらに向いたことに気づくと、ニコッと少女は笑う。
「さーて、と! アンタ、そんなに暇なら私と来なさい! 大丈夫、私はアンタの味方になってあげるわ」
自信満々な顔でゆっくりと青年に近寄り、手を差し伸べる。
それが、僕と彼女の最初の出会いだった。