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とある異世界の黙示録 -蒼い守護者の物語-  作者: 誠珠。
第九章 HALの世界

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HALの世界2

 アッシュは依頼を受託して、街の門を抜けるとそこは川ではなく、大自然が広がっていた。空に浮かぶ島や、まだ昼のはずなのに空の一部分は夜のように暗いところもある。


 なんとも不思議な光景だ。


 さて、せっかく外に出たことだ。まず自身のステータスを見るとこうなっている。



 ********************


 アッシュ 


 性 別:男性

 種 族:ヒューマン

 職 業:双剣士 サブ職業:暗殺者

 魔属性:火


 Lv.:1

 H P:100/100

 M P:20/20

 攻撃力:E 200/9999

 魔 力:E  20/9999

 防御力:E  50/9999

 敏捷力:E 150/9999

 抵抗力:E  50/9999

 幸 運:E  50/9999


 スキル:身体強化 隠密

 特 典:スキルポイント未取得(レベル5にアップ時に取得可能です。)


 ********************



 ざっとこんな感じだ。まさに初心者のようなステータス。

 それにステータスのランクもSが最大でA~Eまでのランク分けされているようで、数値もわかりやすく隣にも記載されている。何より気になっているのはこのスキルポイントの特典だ。それからどれくらい上がるのかもいろいろと試してみよう。


 軽い準備運動をして、いざ向かおうとした時、後ろから声を掛けられる。



「おい、お前! 待て!」

「ん? 僕?」



 振り返ると、茶色の髪をポニーテールのように結っている少年が立っていた。服装的に軽装な感じ。


 呼び止めてきた少年は、少し心配そうにアッシュの方まで歩いてくる。



「そうだよ。お前、その姿、初心者だろ? まさか初期装備で飛び出そうとしてんの?」

「うん、いろいろ見て回ろうと思ってるからね」



 そういうと、少年は呆れたような顔をして、行き手を阻むように前に立つ。



「外にいた時の感覚でするとマジで危ないぜ。まだレベルとか上がってないだろ?」

「ん-、まぁそうだね。適当な魔物倒して上げようかと思って」

「適当って……、他のパーティーメンバーは? 一人かよ」

「みんな、各々街を見て回ってるんだ。僕は暇だからギルドの依頼を受けていろいろ回るついでにこなしてこようと思ってね」

「ギルドの依頼? 一人でか……」



 少年はアッシュの回答に少し悩んでパチンッと指を鳴らす。



「うっし! なら、俺がしばらく外の探索、手伝ってやるよ」

「え、いいよ。邪魔だし」



 ズバッと断ってきたアッシュの返事にズルッと少年はこけそうになる。


 実際、一緒に来てもらってもいいけども、素性も知れない人だ。それにそんなに滞在するわけでもないから僕よりも他と関わった方が有意義な時間だと思う。


 少しムスッとしながらも、”あのなぁ”と言いながら再度説明を続ける。



「初心者装備で行くとマジでやられるぞ。それに初心者狩りするやつもいるし、レベル5まで上がるまでは一人で外の探索は危険だ。信用性ないのはわかるけどよ、せめてレベル5まで上がるまでは付き合わせてくれ。なんもわかんないでいきなりゲームオーバーとかさせたくねぇし……」



 最後はだんだん声が小さくなっていく。どうやら本当に身を案じてくれてるようだ。


 邪魔まで言ったのに、ある意味ではここまで行くと逆に申し訳なくなってくるなぁ……。


 少しアッシュも考えて、再度少年のほうを向く。



「じゃあよかったらお願いしてもいいかな? さっきはきつい言い方してごめんよ。僕はアッシュ。君は?」

「おう! 俺は(ひゅう)。よろしくな、アッシュ! 早速フレンド登録とパーティー組もうぜ」

「いいよ」



 互いにフレンド登録と、パーティー結成をして、改めて行くことに。まずは初心者向けのステージの始まりの草原、というところまで歩いていくことに。


 その最中、彪が武器とアイテムを渡してくれる。



「これは?」

「ポーションと俺が持ってる初心者向けの武器だよ。それで一旦はそこのステージでもモンスターは余裕で倒せるぜ。武器はそれやるよ」

「へー」



 彪からの武器を見ていると攻撃力が+500と記載がある。今、持ってる初心者の剣と記載されてる武器は+10だ。結構差があるけど、本当に初心者向けなのだろうかと、受け取った武器をまじまじと見る。

 受け取った武器は一旦アイテムボックスにしまう。



「装備しねぇの? つけないと意味ないぜ?」

「一旦はこのまましようかなって。もし武器がないときにどこまで可能かも確認しておきたいんだ」

「ふ~ん。結構分析とかするタイプなんだな。ま、うっかりやられそうになっても助けてやるから、いろいろ試してみろよ」

「ありがと」

「いいってとこよ! ……お、ちょうどよくスライムいんじゃん。あれ倒してみて来いよ」



 彪の指をさす方を見ると青いプルプルしたものがそこにはいた。じっと見ているとスライムのレベルは3と出ている。一応、アッシュのレベルでは格上だ。



「あちゃ~、レベル3か……。さっきの武器なら問題ないけど、そのままはさすがに危ないんじゃね?」

「まぁまぁ、ものは試しさ。ちょっとやってみるよ。まずかったら退くからさ」



 そう言いながらアッシュは剣を抜く。通常であれば核を一突きしてしまえばスライムは一撃で倒せる。この世界の場合はどうなんだろうか。少し興味もある。


 タタタッとスライムに向けて走っていく。それにエンカウントしたという意味なのか、オレンジ文字でスライムという表記。ヘルプ機能では同レベルは白、ちょっと上はオレンジ、強いと赤色。なのでこいつはちょい強スライムだ。


 そんなスライムに対して、アッシュは核に狙いを定めて核に向けて剣を一突きする。


 パキョッという音と共に、プルプルとしていたスライムは溶けて、消える。残ったのは何やらドロップアイテムなのだろう。小さなスライムの塊と硬貨が落ちていた。それと同時にパッパラパーと何か音が聞こえて、レベルアップをしたという通知に現れる。


 どうやら核の破壊はこの世界でも変わらなく通じるようだ。


 そんなアッシュに対して彪は驚きながらこちらに駆け寄る。



「お前、すげぇな! 初心者なのに一撃でレベル差のあるスライムを倒したやつとか初めて見たぜ」

「そう? 現実の方でもこんな感じだよ。核さえ分かればスライムは簡単だからね」



 へぇ〜と感心している彪を横目にレベルアップの状態を確認する。



 ********************


 アッシュ 


 性 別:男性

 種 族:ヒューマン

 職 業:双剣士 サブ職業:暗殺者

 魔属性:火


 Lv.:2

 H P:200/200

 M P:50/50

 攻撃力:E 300/9999

 魔 力:E  50/9999

 防御力:E  70/9999

 敏捷力:E 200/9999

 抵抗力:E  70/9999

 幸 運:E  70/9999


 スキル:身体強化 隠密

 特 典:スキルポイント未取得(レベル5にアップ時に取得可能です。)


 ********************



 思ったよりも伸びが悪いな……。

 これはレベル上がってもステータスはあまりあてにしない方がいいかも。


 そう思ってレベルアップの通知を5に上がったら通知されるように設定して、あとはミュートの設定に変更した。


 倒す度にやかましくなっても気が散るし。


 そう思い、今度は彪から貰った武器を持つ。双剣士だけど片手ずつ違う武器でも問題なく装備が可能なようだ。



「よし! じゃあ次のモンスター倒してみるか?」

「そうだね。ちょっと強めのモンスターとか行ってみようか。確かCランクの依頼書にモンスター討伐があったからそいつを倒しに行こうか」

「……え、待って、Cランクの依頼書?」

「え、うん。ギルドからFからCまでの受けられる依頼受けてるよ」

「……受付ぇ……あいつ何してんだよ……」



 頭痛そうにしている彪にアッシュは首を傾げる。


 なんだろうか、別に依頼なんだからそこまで悩むこととは思わないけど……。


 そう思っていると、彪はアッシュの肩を掴む。



「一応言っとくけどよ、Cランクは最低でもレベル40ねぇとマジで無理だからな!! 今はまだCはやめておけ!!」

「あはは、大丈夫大丈夫〜。彪もいるし、どうにかなるよ」

「いやいや、どうにかなるって意味じゃないからな?!」

「ん? それとも彪はまだ40じゃないの?」

「いや、俺はまだまだ上だけどよ、受ける依頼は考えろよ。ここ数値で決まって来るんだからよ」

「当たらなければ問題ないさ。さ、行こう」



 そう言ってアッシュは依頼書からの追跡機能を使って目標のモンスターの方まで向かう。レベル40が最低ないとダメなのにレベル2で倒せるなら是非とも試してみたい。危ないのは承知だが、最近、魔物で手応えのあるのがいなかったから楽しみではある。


 ワクワクしてるアッシュに彪は慌てて追いかけていく。



「いや! マジで危ねぇからな?! てか、俺、居なくてもそいつに挑む気だったのかよ?!」



 叫びながら追いかけてくる彪に対してあまり話を聞いていないアッシュは道中のモンスターも無視して進んでいく。


 せっかくのチャレンジをここでレベル上げしてやるなんて勿体ない。通知もレベル5にならないと鳴ることもないからうっかり上がってしまうのも困る。


 目的のモンスターはここから少し離れた森の中の深いところにいるモンスターだ。


 鷲の上半身、獅子の下半身の魔獣。


 いわゆるグリフォンと呼ばれるモンスターをめざして進む。

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