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とある異世界の黙示録 -蒼い守護者の物語-  作者: 誠珠。
第ニ章 クロノス騎士団
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騎士団の半神2

 ようやくルーファスから解放されたアッシュは珍しく少し疲れた様子でアリス達と合流した。



「遅いわね。何してたの?」

「あはは……、ちょっとルーファスの子供自慢聞いてたよ……」

「よくこの短時間で解放されたわね、下手したら一日中話されてるところよ」

「エドワードに助けてもらったから……」

「あっはっは!なるほどね!」



 笑いコケるアリスは、後ろから申し訳なさそうに来るルーファスを見ながら、部屋に指をさす。



「あ、ルーファス、この部屋借りていい?」

「えぇ、どうぞ。ごゆっくりしていってください」

「はーい。じゃあ、みんな、話があるから中に入ってね」



 アリスに続いて、アッシュ達が部屋に入っていくところを、ルーファスとユーリは見送る。扉が閉まったことを確認して、再度自身の仕事に戻ろうとするとユーリがルーファスの腕を掴む。



「おい、ルーファス。お前ここ数日まともに寝てねぇだろ。アリス達の話が終わるまで一旦仮眠してこい」

「いえいえ、休んでいられませんよ。彼女達が滞在中不自由ないように快適に過ごしていただくためには、今の仕事等をいち早く終わらせねばいけません!」

「……。お前、それで倒れたらマジでアリスに怒られんぞ。黙って寝てろ」



 ユーリは気合十分なルーファスを無視して仮眠室に強制連行していった。


 場面をかえ、アリス達のいる部屋へ。

 部屋に全員入ったのを確認してから鍵をかける。



「さて、まずルーファスについて、アッシュとユキは知らないわよね」

「初対面だからね。ちょっと知らないかな。今のところ分かるのは子供大好きな人ってくらいだし」

「僕もそうですね。ノアは知ってるんでしたっけ?」

「断片的にだよ。俺覚えてんの」



 そんな三人の答えに”それもそうよね”と腕を組みながら、魔法でルーファスの映像と、何かの歴史の本のようなものが浮かび上がる。

 彼女はこういう自分が思い描くものを立体的に見せることができるので結構マッピングとかで活用されることが多い。そしてこういう説明とかでも。



「ルーファスについて話すことは、本人にも了承もらってるし、後々に知らなかったから、っていういざこざの喧嘩はしてほしくないから話すからね。特にアッシュ、あんたよ」

「おっと、僕ですかー」

「そうよ。さっきもあんた、ルーファスに対して殺気抑えれてなかったわよ。あれは話す前に軽率な行動した私が悪いけど……」



 口元をつのらせながらアリスはだんだん声が小さくなっていった。

 そんなアリスにアッシュもしまったな、という顔で少し視線を逸らす。二人の行動にエドワードはため息をしながらアリスの頭を軽くこつんと叩いた。



「話進まないなら私が話すか?」

「大丈夫よ。……本題に入るわ。ルーファスは神とヒューマンの間に生まれた人、いわゆる半神。ちなみにユーリはただのヒューマンだけど、守護者と同じように転生してはルーファスのところに戻ってくる契約してるの」

「なるほど……、ちなみに女性が触れないことに関しては?」

「んー、ぶっちゃけ、そこは私も深くはあまり聞けてないの。ただユーリから聞いたのはこの騎士団建てる前、相当苦労したらしくて、その時に女性に対して強いトラウマになるようなことになった、てのは聞いてるわ」

「そのトラウマに関してえらい容赦なく君えぐってたね……」

「なんてったって、ルーファスは極度のストレス感じると女性に変わるからおもっしろいのよ!」



 そんな面白感覚でしてよかったなうようなのだろうかと思ったが、どうやらトラウマ自体は大丈夫になったらしいが、それでも女性に対しての拒絶反応はどうも抜けきれないらしく、今も触れることができないらしい。

 ただなぜか子供は別とのことだ。ロリコンではないかと思うが、あえて言えない。言ったらダメな気がした。



「今の見た目もすでに女性だからわざわざしなくてもいいともうけどな……」

「あら違いはあるわよ」



 そういって自身の胸を触る。ムニムニと揉みながら見せつけるが……。


 それはここの男性陣に求めるな。と思っていたら、エドワードが制止する。



「やめんか。ばか」

「おやおや、皆様なにやら楽しそうですね」

「うおっ!?」



 ノアの隣にいつの間にかいたルーファスの声に驚く。

 急に現れたルーファスに対して、アリスは特別驚くことなく、ため息をしながらいう。



「あんた、私、鍵閉めてたんだけど」

「騎士団長たるもの、鍵がかかった部屋に入れずどうします?」

「いや、常識的にダメでしょ。普段からやってんのあんた」

「さすがに他のお客様の前ではしませんよ。神様まではいかなくても人でないことがばれてしまいますので」



 ニッコリと笑いながら、何かを取り出す。どうやらメニュー表のようだ。



「驚かせてしまったお詫びではございませんが、丁度、我が騎士団の自慢の食堂でよいものを食べてみませんか?料理長の腕は確かですのできっと気に入りますし、長旅でお疲れでしょうからね」

「あら、気が利くじゃない。それじゃあ遠慮なくいきましょ!」

「ふふふ、喜んで頂けそうで何よりです」



 そういって部屋から出ようと扉を開けると、扉の前でかなりお怒りな様子のユーリがそこに立っていた。いつから立っていたんだろうか。

 そんなユーリをスルーして部屋から出ようとしたルーファスをユーリが頭を鷲掴みする。



「おいこら、ちょっと待て、なにお前何事もなく、アリス達の部屋にいんだよ。寝ろっつっただろうが!」

「いえいえーちゃんと寝ておりましたよ。起きてコチラに来たのです」

「あいつら、話し始めて15分もたってねぇよ!ただ横になって起きてきただけだろうが!!」



 ワーワーと騒ぐ二人をおいて、アリス達は食堂へと向かう。


 向かう途中、アッシュはルーファス達の方を見て少しなにか言いたげな顔をしていたが、そのままみんなの後を追った。



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