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ピューマ  作者:
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1話目

僕の名前はヒィト。野上ヒィトだ。

僕の家では猫を飼っている。かわいーい、黒猫だ。その子の名前はというとクロネコだ。僕が小さい時に付けた名前だ。かわいいだろう。

って、そのままか。ごめんなさい

今日は4月5日。僕が通うであろう高校学校の始業式だ。今からドキドキしている。いっぱい人が来る。そりゃそうだ。僕はちょっと変わってるんだ。猫にそのままの名前つけるくらいだしね。

くしゃみする時にさ、口によだれ溜めてると大変な事になるよね。

いや、昨日それで大変な目に遭ったんだ・・・。

昨日、マイマザーとラーメン店に行ったんだ。ラーメン店だから、そりゃ鼻水出る人も居るし当然テーブルにはティッシュ箱が設置されてるんですよ。

鼻水が出て来てくしゃみしちゃってその時よだれ溜まってたから大変な事になって

ティッシュ箱にティッシュが入ってなくて


クロネコとは毎日遊んでいる。ねこじゃらし?ながい紐?ねずみのおもちゃ?てづくりのわりばしねこじゃらし?かさかさしたビニール?髪ゴム。

髪ゴムなんかは飛ばすと走って取りに行って、はぐはぐ噛んだりしながら、そのまま僕の元へと持って来て手の上にぽいっと投げ渡す。

もう一回やれよ。みたいな。

女の子だよ?もっとかわいく言いなさい僕。

もう一回やってくれませんこと?みたいな。


おはよう。僕は眼が覚めた。

起きてすぐ、感じたのは、股間の方でなんかあったかい体温を感じた。

クロネコが僕の股に乗っかっていた。まあ、胸に乗られるともっと苦しいから・・・。マシなんだけど。

おまたにのらないでクロネコ。


とれちゃってるパジャマのボタンをとめて、1階へと降りていく。クロネコもついてくる。

「おっはよう!かわいいヒィト!今日の朝ごはんはローストビーフだよ!!」

おかあさんは若くてとっても明るいし美人だ。まあ、僕のこのみじゃないんだけど・・・。

「うむ、ローストビーフ美味しい。ポテトサラダ僕好きなんだよねー。すごいおいしいよ!」

「よかった。私ヒィトの為に毎日献立考えてるから!始業式はリラックスしていきなさいよ!」

クロネコはドライフードを食べてる。


はみがきしてトイレに入って出て来て制服に着替えて1階に降りる。

僕の手にはカバンを携えている。クロネコはそれを見ていちど鳴く。

じゃ、行ってくるよクロネコ。


僕は桜が大好きだ。なので、これからの登校時間は至福の時となるだろう。

春だ春。桜はどうして散るんだろう?やっぱ風が強いからかな?僕にはわからん。

誰か知ってる人が居るなら原稿用紙半分ぐらいで説明して欲しいな。頭にかかると邪魔なんだ桜の花。

そうだ、腕時計・・・しまった。腕時計を忘れて来てしまった。携帯で時間を確認する。

余裕で学校に着いてしまうな。ちょっと早めに出すぎてしまった。公園にでも寄ろう。


色んな動物達が僕の視界へと入って来る。ハトの大群や、カラス、のらネコに、散歩中の犬。

やっぱネコがかわいい。でも、のらねこか・・・。心配だな。しっかり生きろよ。

ジュースをゴクゴクと飲む。僕は何を隠そう、桃ジュースが大好きで、飲むジュースは全部桃フレーバーを占めている。

kokuriに、イツヤサイダーの桃、くろはすの桃味。全部桃だ。なんで桃味が好きなの?

なんか女の子らしくて好きなんだ。僕はちょっと変わってる。今飲んでるのはくろはすの桃だ。

「ふう、そろそろ公園をたとうか。ちょうどいい時間だ。」

「ニャー。」のらネコ


「あれ?人が全然居ない。おかしいな・・・学校前なのにこんなに居ないなんて。」

「もしかして携帯の時間狂ってる?」

携帯を確認するが、携帯の時間が正確かどうかわからなかった。

「そうだ、学校の時計を確認すれば・・・」

学校の時計は、垂れ幕がかぶさっていて分からなかった。


「・・・。」

誰も居ない校内。来る日を間違えてしまったのかと思うぐらいだった。

「良い匂い・・・。普通に掃除してたらこうはならないな。香水を撒いている。」

「そういう話じゃない!えーと、どうしよう・・・。どこ行けばいい・・・!」

「おや、ようやく着いたねヒィト君。おくれてきた入学生さん。ははっ」

「えっ?おくれてきた?そんな・・・」


「君はホームルームが始まっても来なかったので、家の方に連絡があったはずなんだが・・・。」

「どこで何をしてたんだい?」

「えっと、公園で和んでました・・・。」

「今度からは腕時計を付けておく事をオススメするよ。僕の自己紹介をしたい所だが、もう早く体育館に入った方が良い。君のクラスは左から3番目の列で、君はちょっと後ろの方にいなさい。」

「あ、ありがとうございます!」

「がんばってね。」


始業式が終わる。

「それでは、教科書をカバンにしまったら今日は下校してください。寄り道しないようにね。」

「なー、帰りゲーセン寄ろうぜククク。」

「えー、いいなそれ。反抗してんじゃんハハハ」

「・・・。」

ゲームセンターか。僕も行ってみたいな。行った事無いんだ、ゲームセンター。どういう所なんだろう?

僕って、見た目は悪くないかもしれないけど友達できた事ないんだよね。いや、クロネコが友達だから・・・人間の友達が居ない。

はあ。ちょっとは僕にもそういう遊びをくださいよ、神様。どうして・・・友達できないんだい。

「なあ、お前。」

「・・・・・。」

「お前耳付いてんのか」

「・・・・。」

「そっぽ向くなよ、お前だよお前!!」

ガシッ

「え!?なんだい??僕何も悪い事は・・・」

「んなのドウデモいいんだヨ。ちょっと用事あるから付いて来いよ。」

金髪ツインテールの女の子に無理やり誘われる・・・。

チャンスだ!ヒィト君!もしかしたらチューできるかも!

でもさ、なんかおっかないし、性格悪そうだよ彼女

い、いいじゃないか!こうなったらどんな悪い子でもチューができればそれで・・・!


「2千円貸せよ」

「アレーーー」

今聞いた?僕のおこづかいの5分の2頂こうとしてるよ彼女。

ほら、やっぱりニコニコしながら彼女についてこなきゃよかったんだよ・・・。なにげに逃走経路塞がれてるからもうこれ言う事聞くしか・・・・ないよなぁ・・・。

「僕も男だ!正しく無い理由でお金は渡せない!君、なんで僕を選んでお金を借りようとしてるんだい!?」

「お前が金持ってそうで金渡してくれそうだったからだよ」

とっても簡潔でわかりやすいや!!!

「そのお金・・・何に使うつもりだい」

「・・・」

「ゲーセン。行くんだよ。」

「寄り道しちゃダメだって先生言ってたじゃないか!」

「プッ、そんなのどうでも良いだろ。」

彼女は手を振って僕の言った事を強く否定する。

「1人じゃさみしいからお前もついて来いよ。」

「え!?」


街の中の方へと向かう女の子。僕もそれについていく。

「お前って妹とか居る?」

「居ないけどさ、なんで?」

「お前みたいな兄居たらいいなって思ってさ」

「いいなって?」

「言う事聞かせ放題だろ。」

「ああ、君その考え方続けてると、ロクな人生歩めない・・・。」

「もう既に道に迷ってますが何か?」

「なら僕の言う事聞けば元の道に戻れるよ」

「・・・」

「ウザい」

「ごめんなさい・・・」


彼女はゲームセンターに着くなり、UFOキャッチャーに張り付いてぬいぐるみをジロジロと見まわしている。まるで、ぬいぐるみが大好きの様に。

「・・・。」

「あー、今日は取れるかなぁ」


慣れてない手つきで、キャッチャーのボタンを操作する女の子。ボトリと途中で人形を落としてしまう。

「あー。ダメだ。どうしよう・・・もう千円だよ。もうあとレースゲームやろうかなぁ。」

「僕がとってあげようか?」

「ムリムリ。お前みたいなトロいのに人形絶対取れないから。」

「私常連だから知ってるけど、これめちゃくちゃムズイから!!!」


トサッ

「ほら、とれたよ。うさぎちゃん人形。欲しかったんだろ?」

「・・・」

「すげーなお前。プロみたい。一発でとれたし。すげー。」

彼女は目をキラキラ輝かせてうさぎちゃん人形を見つめる

「こ、これ・・・くれるのか?いくらだ?」

「いいよ、200円しか使ってないし。タダであげる。」

「やったぁー。ラッキーぃっ!!!」

彼女のぬいぐるみをだきしめて匂いを嗅ぐ姿は非常にキュートだった。

(どうしよう・・・なんかこの子に恋しちゃったみたいだ)


「お前凄いな!プロみたいだったよ!」

彼女は手のひら返しで僕の顔をじろじろみてくる。

明るくなったその姿は、離れた所から見ると僕の彼女の様にみえる。

とってもかわいくて・・・むねがしめつけられる。なんだこの感情、わかんないや。誰かおしえてよ。胸が苦しいよ。どうしよう

「なんだぁ???お前さっき道の途中でゲーセンなんか行った事無いって言ってたけど」

「ぷはっ、毎日かようぐらいなれてんだろ?」

「い、ひや、いやなんでもないです」

「あ???なに言ってんだ?バカか?大丈夫か?」

「なんか、苦しそうだ。少しやすむか?」

彼女は本当に心配そうに僕の体をみやる。そしてベンチの方へと誘導する様にうながす。

そんな、僕も・・・胸が動悸ではげしくなって、息が荒い。ちょっと休んだ方がよさそうだな。・・・


「・・・・。」

「なあ。」「ねえ。」

彼女は照れた。

「お、お前が先に言えよ。バカ。」

「・・・。」

「ぼ、ぼくホントに病気とか無いし大丈夫だよ。あはは。心配させてごめんね。」

「ホントか?私一瞬病院行った方が良いんじゃないかって思ったよ。だってなんか態度が異常だった。本当に行かなくていいのか?」

「そうだねー。あるって言ったらあるんだよ病気・・・」

「なんだ?それ」

「妄想病。」

「・・・・。」

彼女は頭を振ってあきれている。信用してるのか、僕が言う事にあきれているのかわからないケド。

「でも、病気じゃなくてもさっきの動悸はヤバかった。大丈夫か?」

「あ、あのさ。それについてはもうやめようよ。・・・。」

名前について聞きたかったが、うまくタイミングをつくれなかった。聞くなら今かな?

「ところで、君の名前ってなんだい?」

「なんできくんだよ?」

「え?」

彼女が頬を赤らめて、ちいさくうつむいたり、顔を斜めにかたむけたり、少女らしいしぐさを頻繁にする

これってもしかして両想い!?

僕の胸はだからさっきあんなに動悸がしたのかい

「あ、あの!」

「なんだ?」

「君の事が好きだ!」


「・・・うわー、ありえねぇ。名前も聞く前に好きって言うとか。」

「へっ!?」

「私はお前の名前知ってるよ。先生が言ってたもん。」

「幻滅」


し、しまった・・・恋の1番目でミスをしてしまった・・・これじゃ体目的だと思われてもしょうがない!

「でも、なんかお前おもしろいな!」

「え?」

「恋愛対象としては絶対見られないけどね!」

「・・・」

「私波音。なみねよ。」



その後、僕達は各自の家に帰り・・・・

僕は、反省会。

「ニャー」

「クロネコぉ、きいてくれよぅ」

クロネコにだきつく。クロネコはものすごく嫌そうに逃げてぼくの事をちょっとひっかく。

「いたい」

「そうかい、クロネコも僕の事をつきはなすんだね!ひどいや!君の事を信用してた僕がバカだったよ!」

「ニャー!」

「えっ?あ、なんだあ。オヤツが無いのかい?」

「お母さんったらたまにあげるの忘れるもんね・・・。」


僕は自室のベッドでかんがえこむ

「なみねちゃんか・・・かわいいな。」

「あー、あんな女の子と付き合いたい。」

「でも、付き合って僕はなにが・・・したいんだい?」

「変な事はしたくないや・・・あの子の笑顔が見たい。」

「でもできるなら恋人になりたい」

「ニャー」

「おお、そうかい。ささみのボイルうまかった?僕もあれはおいしいと思うんだよ。」

ピョンッ、と飛んでクロネコが僕の膝の上に乗ってくる。

「ゴロゴロ」












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