第4話 空間魔法
こんばんは
遅くなりました
すみません
これからもどうぞよろしくお願いします
「出来たわ」
『ティアシェ、かわいいわ』
喜んでいるとこ悪いけど僕は全く嬉しくない
『ティアシェ、すまない』
水龍、謝らないでくれ
僕が惨めだ
謝るくらいなら、ここ代われ
今すぐ代われ
あ、顔背けた
おい、水龍…お前、水の王だろう?
なんとかしろよ
それから5分後ー
「…そういえば、今日はどうして私を呼んだの?ティアシェ」
今頃かよ
もう少し早く気付けよ
お前、空間の精霊王だろ
「…空間魔法を教えて貰おうと思って」
「あら、そのぐらいいくらでも教えてあげるわ」
さすが、空間の精霊王話が早い
「ただ、報酬は貰うわよ」
嫌な予感しかしないな
「あなたの料理が食べたいわ。いつも下級精霊たちがあなたの料理を食べたことを自慢してくるのよ」
良かった
考えていたこととは全然違ったが普通にマシだった
なら、何を考えてたって?訊かないでくれ…
「そのぐらいならまあいいけど」
「決まりね。じゃあ始めるわよ」
やっとか
ここまで長かった
え?全然時間経っていないじゃないかって?いやいや、僕からしたら数時間経過したように感じたんだよ
「まず、魔力を練ることはできるわよね?」
もちろんだ
僕にとって魔力は生活する上でとても大事なものだ
僕はベッドからほとんど動かない…動けない
だから、部屋の外のことは魔法で把握している
「なら、その練り上げた魔力を円く空中に広げてみて」
魔力を空中で広げる?
魔法陳を描くようにしてやればいいのか?
でも、魔法陳を描けとは言われていない
なら、違うか
「ティアシェ、空中に広げた後は魔力を大量に送って圧縮するのよ」
圧縮って…魔力を操作しながら圧縮するのか…疲れるな
ま、できるから良いけど
よし、なんとか出来た
初めてだからよく分からないがこの分なら水龍でも入ってしまいそうだ
ー空間の精霊ー
やっぱり一回で成功させてしまった
これ、教えて良かったのよね?
大丈夫だよね?
ティアシェに悪い影響を与えないよね?
ティアシェも末っ子とは言え王族の一人
体が弱いとはいえこの規格外の魔力がもしばれたら…
***
「ティアシェ、私と約束して頂戴」
空間の精霊が話しかけてきた
何だろ?
いつもと違って真剣な表情だから聞いておいた方が良いのだろう
「約束って?」
「魔法を余り人の前で使わない事を」
空間の精霊は約束して頂戴と何度も言う
空間の精霊が言いたいことは分かる
僕も王になる気も兄姉と争う気も無いからね
でも、生活する上で魔法は僕にとってはなくてはならない物となっている
どうしよう?
「ティアシェ、無理ならせめて自分で身を守れるようになって頂戴」
うん、それなら大丈夫、イケる