第3話 空間の精霊
一話に少し行を増やしました
読まなくても支障はないです
『なんの魔法からやりましょうか?』
ドライアドが僕に訊く
「空間魔法を教えてくれる?」
『なぜ、空間魔法なんだ?』
「後、7年もしたら僕も学園に行くことになる。だから、みんなに心配をかけないようにしたいんだ。それに行ってみたい場所もあるしね」
空間魔法は空間に干渉しあらゆる場所に行ける
他には自分を守ることにも使える
『そうか。なら儂が教えよう』
『私は空間魔法は使えないのよね』
水龍は嬉しそうだ
かえって、ドライアドは寂しそうだ
「ドライアド、また今度君が得意な風と土魔法を教えてくれない?」
『はい。いくらでも教えますよ』
急に元気になった
なら、言う言葉は間違ってなかったようだ
良かった
『よし、ならやるぞ』
「うん」
『まず、空間を司る精霊を呼ぶんだ。お前は精霊が普段から見えるようだから大丈夫だろう』
空間を司る精霊?
い、いやまさかな…
「どうやって呼び出せばいいの?」
『空間の精霊よ来たれ。と言えばよい』
なんか…
「簡単だね」
『本来、精霊は皆呼びやすいようになっておる』
父様や神官たちは難しいと言っていたんだけど
『まあ、一度やってみろ』
「分かった。…空間の精霊よ来たれ」
その瞬間僕の足元に魔法陣が浮かぶ
そこから、一人の女性が現れる
女性は薄紫色の髪と目を持ちとても美しい顔をしていた
ああ、最悪だ
やっぱりあいつだ
「ひさしぶりね。相変わらず素敵な髪ねえ。結んでもいい?いいわよね?」
「最悪だ…」
女性は僕の返事を訊かずに髪を結び始めてしまった
『ティアシェ、大丈夫か?』
「…大丈夫に見える?」
『空間の、やめてあげなさい。ティアシェは嫌がっていますよ』
僕はすぐドライアドの方を見る
「ドライアド…」
「しかし、ティアシェの髪は触っていてとても気持ちいいんですよ」
『そ、それはそうだけど嫌がっているのならやめるべきよ』
もっと言ってくれ
ドライアド頑張ってくれ
本当、お願い
僕の為に
「少しぐらい別にいいと思いますよ。減るものでもないですし」
ドライアド…?
僕がドライアドの方を見ると僕の髪に目が行っていた
諦めるしかないようだ
「もう、いいよ。どうぞ」
僕がそう言った瞬間ドライアドが空間の精霊と一緒に僕の髪をいじり始めた
ああ、もういや
『ティアシェ、すまん』
水龍が僕に謝ってきた
何に対する謝罪だ
同情するぐらいなら二人を止めてくれ
「ティアシェの髪は長いから本当いじりがいがあるわぁ」
『空間の、横の髪をおろしてから余った髪を後ろで一つに纏めて括ってしまいましょう』
「いいですねぇ」
ああ、もう本当に嫌
ああ、水龍、同情の目を向けるくらいならここを替わってくれ
僕は喜んで替わるぞ