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写真について話したケース

ステータス確認でヒラヒラことアイリス姫を

撮影、現像する二眼レフさん。

彼女の真っ当に表示されたステータスに自身のステータスの適当さぶりにやや凹み中。


 ヒラヒラは私が写した写真を見入っている。

 裏に書かれた彼女のステータスの表示は消している。表示するしないはあとからでも任意でできるようだ。…ん? ヒラヒラのステータスが気になるですと?


 彼女はこんな感じ。

_________________________

NAME : アイリス・ウェルマット

種族 : 人間

LV : 5

HP : 34

MP : 2000

STR : 15

AGI : 25

INT : 70

VIT : 20

DEX : 50


パッシブスキル

 礼儀作法 王宮護身剣術 女神の加護


アクティブスキル

 魔法術(水) 魔法術(光) 異世界勇者召喚術 精霊召喚術


称号

 ウェルマット王国第二王女 召喚術士 ピンクのヒラヒラ

_______________________________________________________


 MPがやたら高い数値なのは勇者召喚や精霊召喚などのスキルがあるからだろう。

ステータスパラメータはちゃんと数値で書かれていた。ヒラヒラの言葉から察するに女神の茶々入れ的ステータスは私だけらしい…。どうしてくれようか、アホ女神が…。あ、フィルムアーカイブにハリセンがあったな。なんで写してあったのか知らないけど、女神にあったら虚像現像(プロセッシング)してどついてやろう。用意周到な主に感謝感謝。

 てか、この子、アホ女神の加護が付いているのか…。また、不憫な…。


 Schweife(それはさて) ab(おき)、フィルムアーカイブを漁り、 虚像獲得(アバターライド)で自分の仮の姿としたのは二つ。今の状態では獲得できる虚像は二つのようだ。レベルアップすれば増えるかもしれない。レベル…2.8D…。うん、知ってる。私の場合、後継機にならないとレベルは変わらない…と思う。

 で、獲得した姿だが、一つは主が知り合ったドイツ人コスプレイヤーさんの姿。この方、長身で出るとこ出て引っ込むところ引っ込んでいるモデル体型な方でした。主は「おっぱーい♪」とか言いながら嬉々として私で写真を撮っていた…。

 着ている服はドイツの民族衣装ディアンドル。オクトーバーフェストに主が行った際に撮り溜めたアーカイブから適用してみた。現代風で胸元が大きく開いているのでこの姿ではかなり胸の谷間が強調される。主風に、表現するなら「けしからん胸元」と言ったところか?

 もう一つは初代主がモデル。ドイツ貴族の家系の方で当時のご婦人にかなりモテモテだったと思う。初代主の姿を借りるのも若干気が引けたが、取得しちまったもんはしょうがない。有り難く使わせて頂こう。

 着ている服はとあるダークヒーローのコスプレ写真から適応した黒コートだが、初代主とかなりマッチしているなーなんて、さっき鏡をチラ見して思った。


 さて、ヒラヒラだが、さっき渡した写真をしげしげと見つめている。この世界、写真技術はないのだろう。とても興味深そうだ。


「精霊様、こちらの絵は精霊様がお書きになったのでしょうか。とても精密ですが…そして、この絵と判定(ジャッチメント)とどういった関係があるんでしょうか」


 私の視線に気がついたヒラヒラは写真について私に問いかける。


判定(ジャッチメント)の前にその絵の事を話そうか。確かに、フィルム現像は私のスキルだから私が描いたとも言えるけど、それは絵ではないよ。私のいた世界では写真と呼ばれている。」


「しゃしん…ですか」


「一般的に目で見たものを人は絵画の技術を使って絵にするよね。写真は特定の機械の目で見たものを直接紙に定着させたものなのさ。その特定の機械というのが私の本体である、このフレックス2.8D。要は私が見た風景を直接紙に定着させたものが写真というわけ。フィルム現像。はい、これは昔、元の世界で私の目を通して見た風景」


 私はもう一枚写真を現像するとヒラヒラに手渡した。写真は主が秋頃に観光で行った彼岸花の名所の写真だ。あたり一面彼岸花が咲き誇り此の世の物とは思えない幻想的な雰囲気のありありな一枚だ。ま、今いる場所は異世界だから、此の世の物でないのは当たってるか?


「まぁ、素敵なお花畑です。精霊様のお住まいになられてたところですか?」


「いやいや、それは彼岸花、あ、その花の名前ね。その彼岸花が沢山咲く観光名所で撮った写真さ。て、事で理解したかな?」


 ヒラヒラはこくんと頷いた。


「精霊様がかつて見た物を紙に写し出す魔法という事ですね。精霊様だけの魔法だなんてすごいです」


「魔法と理解したか、ま、思ったより理解してくれて嬉しいよ。んで、判定(ジャッチメント)だが、君の写真の裏を見てくれ」


 ヒラヒラは私に促されるまま写真の裏側を見る。と、同時に彼女のステータスを写真の裏側に浮かび上がらせた。


「まぁ、ステータスが…」


「お? 日本語が読めるの?」


 私が先ほど確認したときは写真裏の文字は日本語で表記されていた。それが読めるということはこの世界に日本語文字が存在することになるな。そんなご都合主義的な話が…。


「日本語? 精霊様の世界の言葉でしょうか? 裏側に書かれている文字は私たちの世界の文字で書かれていますよ?」


 どうやら違ったようだ。ヒラヒラから写真の裏側を見せてもらうと見たこともない文字でステータスがかかれている。この世界の文字だろう。よく見ようと写真を返してもらったら、文字が一瞬消えて今度は日本語でステータスが表示された…。どうやら、手に取った人物によって表示される文字が異なるようだ…なかなかのご都合主義だね…。まっ、困らないからいいけど。


「なるほど、手に取った人によって表示が変わるのか…。便利っちゃ便利だな。ほい、返すよ。」


「ありがとうございます。あら…?」


 ヒラヒラは改めて自分のステータスをみていて何かの異常に気が付いたようだ。


「どうした?」


「精霊召喚術がスキルに加わっているんです。いつの間に取得したんでしょうか…」


「それ、私が召喚されたからではないかい?」


 ヒラヒラは私を”精霊様”と呼んでいる。付喪神の説明でも私は”物に宿った精霊”としたわけだ。つまり、付喪神=精霊として召喚主であるヒラヒラに精霊召喚術のスキルが付いたのだろうと推測してみた。


「いえ、あの時の召喚術式は異世界勇者召喚の…」


女神様(アホ)の仕業だろう。証拠と言ってはなんだが…私の意識下にワンタイムスキルの実行の確認が流れ込んできている…」


 私の意識下にワンタイムスキル強制実行のカウントダウンが流れてきていた。頭の中で拒否を念じたが、カウントダウンは止まることなく進んでいく。どうもお手紙とやらを読ませたいようだ…。


話が進まず、女神が痺れを切らした模様…

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