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ステータスの確認方法を教わったケース

前回までのお話

とりあえず、広間から逃走した二眼レフ

ステータスを確認しようと四苦八苦。

結局、わからずじまいなのでお姫さんに聞きに行ったら

お姫さん、気絶しちまった。

 ようやっとヒラヒラの居場所を見つけたと思ったら…

 私を見るなり気絶って酷くない?

 Unmöglich(ないわー)


 とりあえず、目を覚まさせないと話にならない。

-おーい、ヒラヒラー。気絶すんの構わないけど、スキルの確認方法教えてよー。


 私はベットの上でぶっ倒れているヒラヒラのもとに駆け寄った。

 手足が短いんだから苦労させないでほしいわー。人のサイズならもんだないけど、今の私の手足じゃ距離長いわ、ベット上るのしんどいわ。ええい、世話の焼ける。

 ヒラヒラのもとにやっとたどりついてほっぺたをペシペシ叩いてみた。


-ヒラヒラー、起きろー。でもって、教えろー。


「うーん。はっ!」


 ヒラヒラはすぐ目を覚ましたが私を見るなり、目が恐怖に慄いた。

「あっ…。ヒッ! モンスター!」


 ガラクタの次はモンスター扱いかい。ま、カメラから直接手足が生え取れば見た目、お化けだな。しかし、そこはどうでもいいこった。私はヒラヒラの膝に上って、びしっと指さしてみた。


-違う、付喪神。 Sprechen(リピート) Sie(アフ) mir(ター) nach(ミー) . 付喪神


「つ、ツクモガミ…ですか?」


 ヒラヒラは不思議そうに私の言葉を繰り返す。


-良くできました。さて、昼間の状況からするに、私はヒラヒラの術? いや、魔法でいいのかな? それでこっちに呼ばれたみたいなんだけど。勝手に調べようと思ったんだけどわかんなくてさー。


私がヒラヒラに呼ばれたと聞いた途端、ヒラヒラの顔がパッと明るくなった。


「呼ばれたと言うことは、あなた様は勇者様なんですね。やはり、私は勇者様を召喚できたのですね。私、人や亜人ではない勇者様にお会いするのは初めてです」


…状況の受け入れ早いな。このヒラヒラ。


「こうしてはいられません。お父様にお知らせしなくては!」


ヒラヒラが立ち上がろうとした。あぶね、落ちる、ぶつけたら衝撃でピントが狂う。

私は慌ててヒラヒラのプラチナブロンドの長い髪を掴んでぶら下がった。あぶねーあぶね。


-マテマテ、急に立ち上がるな。こちとら精密機器だ。衝撃を加えたら色々狂ってしまう。


「あ、も、申し訳ありません」


ヒラヒラは私を抱き抱えて、自分の膝の上に置いてくれた。

私はヒラヒラに向き直り、再び彼女にビシッと指差した。


-私が勇者かどうかなんて知らんよ。たとえそうだとしてもだ、私をガラクタとのたまったちょび髭になんか会いたくもないね。


ま、あったところであのちょび髭には私の声は聞こえないみたいだがね。


「うっ、勇者様には飛んだご無礼…」


-その”勇者様”ッツーのもやめれ。私は付喪神だ。だいたい勇者がお姫様のベッドの上でしかも膝の上で世界についてのチュートリアルを受けるって、それこそUnmöglich(ないわー)


「えっと、勇者様でなければなんとお呼びすれば…」


-だから、付喪神だって…


数分前に言ったじゃないか。このヒラヒラは話を聞かないアホの子か?


「ツクモガミ…様? は、どのような種族なんですか?」


-こっちの世界にいるかどうかわからないけど、物に宿った精霊とでも思ってくれればいいよ。


「…精霊様ですか! ああ、なんということでしょう。精霊様とお話しができるなんて…」


 あー、もしもし、ヒラヒラ?

 なんか勝手に感動してるんだけど…??

 とりあえず、ヒラヒラが夢見る乙女っぽいつーのはよくわかった。


-ヒラヒラ、感動してるとこ悪いんだけど、自分自身の能力の確認方法教えてくれない?


「え?」

 

 私の声にヒラヒラは愕然とした表情を見せた。

 えっ? なに、その信じらんなーいって顔。私なんかとんでもねーこと言った?


「精霊様はご自分のステータスがお分かりにならないのですか? 精霊様は女神様のご加護により私たち人のようにステータススペルを使わなくとも把握されているとうかがって…」


-わかんないから聞きに来たのよ。たぶん、その女神さんとやらの範囲じゃないからじゃないかな。人の場合の確認のしかた、ステータススペルだっけ? それ教えて


「はぁ、心のなかで"ステータス照会"と念じてみてください」


 うん、とっても簡単な確認方法だった。まさかの英語日本語混合。とはいえ、私に使えるかどうか。とりあえず念じてみるとしよう。

 -ステータス照会。-


 と、私の意識下に様々な数値、情報の一覧が流れ込んできた。


______________________________________________________

NAME : 未設定(決まったら教えてねby女神)

種族 : RELLEIFLEX 二眼レフカメラ With 異世界の精霊神(付喪神)

LV : 2.8D

HP : 修理は保証期間内でお願いね by 女神

MP : ほぼ無尽蔵ヤッタネ。 by 女神

STR : 適度な力でシャッターを押そう by 女神

AGI : シャッタースピードは手動で調整できるよ by 女神

INT : フィルムアーカイブで知識を貯めよう by 女神

VIT : 写真撮影体力勝負だよね by 女神

DEX : 精密機械だもんねすごい高いよ by女神


パッシブスキル

写真撮影 オートフォーカス フィルムアーカイブ 不定期刊女神通信購読権


アクティブスキル

フィルム現像 虚像現像 虚像操作 虚像獲得(アバターライド) フィルム封印 フィルム解放 次元召喚 次元送還


ワンタイムスキル

女神様からの直筆お手紙×2


追加オプション

ストロボ 接写レンズ プリズムファインダー


称号

異世界超下級神(笑) 召喚勇者(?) ドイツ製の高級アンティーク(自称) 残念二眼レフ(笑) エセドイツ人(笑)

_______________________________________________________


 …Okay. 一つ一つ突っ込んで行こうか。

 NAMEはわかる。付喪神だが名前は持ってないしね。

 種族名に二眼レフカメラってあるよ…WITHのあとの奴は…あ、やっぱり私、付喪神だわ。

LVが2.8Dって機種か! あれだな。レベルアップは後継機をご購入下さいーってやかましいわ!

HP以下各種値もおかしくね? メーカー保証期間なんか50年以上前にとうに切れてるわ! オーバーホールいくらすると思ってんだ!

うん、各種値パラメーターは参考にならんことがよーくわかった。ただMPはアクティブスキルを使う関係からごっそりあるんだろう。数字書こうよ。


 パッシブスキルにオートフォーカスってアホか! 二眼レフはゴリゴリ手動でピント合わせてなんぼの世界じゃないか! その良さを帳消しするスキルってどゆこと??


 アクティブスキルは色々あるが後で使ってみて確認しよう。ってか、次元転送とか送還とかなんぞ? 私は10代目の破壊者か? あー、そういや主はそれ憧れて二眼レフに手を出したと言ってたなー。 私もなんかにライドするのか? 虚像獲得にアバターライドとルビが振られてるから間違いない。


 ワンタイムスキルとやらも置いておこう。ロクデモナイ臭いがする。

 ん? 女神通信購読? …私には何も見えません。


 称号についても全部カッコ付でほぼ私をdisってないか?

…Okay わかった。この世界の女神とやらは敵だ。

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