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目覚めたら目の前でヒラヒラが怒られてたケース

ビーストドールの合間に書いてみてます。1話あたり2000文字程度で書いていきたいと思います。

付喪神って知ってるかい?

道具は100年経つと魂が宿るっていうあれだ。

で、ここにあるのは二眼レフカメラ。

1950年代製造されたドイツ製、アンティークな見た目がオシャレなカメラ。ドイツから日本に渡って実用アンティークライフを満喫してる感じ。

で、私はその付喪神っぽい。

え? 100年経ってない? 今は2000年代前半?

うん、知ってる。だから「付喪神っぽい」って言ったのよ。

で、さらに言うと付喪神神として目覚めた場所が日本じゃなかったわけだ。

ここ、どこよ。

____________________________________________


「勇者召喚は失敗じゃ!」

「お待ちください。お父様!!」


あー、うるさいなー。

なんか耳元で騒々しいなー。静かに寝かせてよー。

ま、私、カメラなんで耳無いし、デジカメでもないからマイクもないけどねー。


…って、待て。

なんで私に意識がある。憑代のこのカメラ、フレックス2.8Dは100年経ってないはずだぞ。


Okay、状況を整理しよう。

まずは今いる場所だ。

ファインダーレンズのピントを合わせてみよう。

確か、ここは腐女子でコスプレイヤーな主のごちゃごちゃした片付けられない女子の部屋だったはずだ。

…の割には広すぎね??

どこの宮殿だこりゃ? 主、私をどっかの観光地に置き忘れたのか?

Oh mein Gott! (なんてこったい!)

私はドイツ製の高級カメラよ。盗まれたらどーすんのよ。やっと買えたーとか血涙流してたじゃん。

全く持って薄情な。しかも、アンティーク品だから捨てられたら付喪神が悪さしかねないぞ。

こんど主にあったら小一時間説教だなこれは。

え? 付喪神はお前じゃないか。

うん、細かいことは気にしなーい。


さて、ピントをちょいと別のほうに合わせてみよう。

うん、なんかピンクのヒラヒラとしててふわふわした子がかつてドイツを第三帝国だとか言っとったちょび髭のおっさんのような顔をしたでぶでぶに叱責されてるっぽいなー。


「お父様、確かに私は勇者となる方の気配を捉えました」


「召喚術が成功したと思えば、訳の分からんガラクタなんぞが出てくる。やはりお前には勇者を召喚できるスキルがなかったではないか!」


あ゛っ?


今、ちょび髭のでぶでぶ、私を指差してガラクタって言ったよな。ドイツの高級メーカー製の私をガラクタとな? よろしい、ならばせんそ…あ、ダメだ、付喪神として覚醒したばかりで動けない。付喪神の力がいきわたるまでもう数分必要だ…。

しかし、勇者召喚ねー。主がよく読んでたライトノベルに異世界召喚ものとかあったなー。

召喚された学生さんが神様にスキル与えられて俺様最強とか、召喚主のお姫さんとか王様が悪人だとか、召喚されて帰れないとかそんなパターンが王道なやつ。

…と言うことはここは異世界か。

んで、召喚された勇者(?)は私?

Das ist neu! (これは新しい!)

とりあえず、話しかけてみるか…。

-あのー、もしもーし…


「ですが、私のスキルステータスには確かに勇者召喚と…」


ん? スキルステータス? この世界は自分の能力が客観てきに確認できるのかどうやるんだろう??

-あのー、すいませーん。


「その勇者というのはこのガラクタか? 笑わせるでない。」


あ゛、あ゛ーん? またガラクタ言いやがったぞ、このちょび髭…。物の価値をしらんちょび髭め!!

だいたい王様やってんだったらカイゼル髭が基本だろうに…。 

しかし、写真機をガラクタ扱い…どうやら、この世界、写真の概念がなさそうだなぁ…つーことは元の世界でいうとこの16世紀くらいの文明レベルだろうかね? 確認したいとこだが…

-おーい、きこえてますかーーーそこのちょび髭ハゲデブーーー。


「第一王女が昏睡状態から回復できないためにお前に任せたのがそもそもの間違いじゃった!! お前はこのウェルマット王国建国以来の役立たずじゃ!」

「そんな、ひどい…」


…だめだ、きこえてねーし。召喚したからには人…じゃない、付喪神の話を聞けよ…。おめーは召喚した奴にこの世界を説明するんじゃねーのかい。

ヒラヒラさんなら話通じるかな? まぁ、自分で勝手に調べるとするかーー。わかんなきゃあとで聞きに行こう。

-てーことで、ヒラヒラさん、わかんなきゃ聞きに行くんでそんときはよろしくー


「え?」


お? ヒラヒラさんがこっち向いた。声が聞こえたかな?


「ええい! なにをよそ見しておる!」

「え、あ、申し訳ありません、お父様」


あ、ちょび髭がヒートアップしやがった…悪いことしたなー…。

さて、力が全体に回って動けるようになったみたいだ。周囲の意識がこちらに向かってないうちに、そろりそろりと…


私はその場から誰にも気が付かれずにその場を離れることに成功したわけだが…

途中にあった大鏡で自分の姿にげんなりしてしまったよ。

フレックス2.8Dに直接短い手足が生えてる姿…見るんじゃなかったよ…。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

フレックス2.8Dさんの現在のステータス。

ステータス確認する術がないので不明…

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