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女子会

これはもう、正々堂々とおおっぴらにするしかない

知られた以上下手に隠すとかえって面白おかしく好き勝手なこと言われる


よし


「純ちゃん、そんなに興味ある子が多いなら女子会でもやる?」


「みんなの質問に答えてあげるよ」



「えっ、いいんですか!嬉しい」



「うん、純ちゃんセッティングしてくれる?」



「します、します〜!!」




週末、駅前の居酒屋に集まった女子会のメンバーは純ちゃん、、品管の曽我部さん工場の木田さん、研究職の沢さんだった


これはうちの独身女子の半数だ


営業のアラフォー小金井さんも来るんじゃないかと思ってたけど…

彼女はリアルすぎて聞けないか、結婚相談所のこと

集まったのはまだ余裕のある二十代の女の子ばかり




「私、美希さん女子会とか嫌いかと思ってました」


「中野さんが、美希さん誘っても無駄よって言ってたし」


「嬉しい、こうしてご一緒できて」


「先ずは乾杯しましょうっ」


純ちゃんの音頭で乾杯する


う…ビールうまいっ


それにしても、職歴は一番浅いけどこのグループでは純ちゃんがリーダシップをとるのね


早く、早くと言うように研究職の沢さんが口を開いた


「美希さん美人じゃないですか、どうして独身なんですか」


「彼氏とかいないんですか」


「なんで結婚相談所に入ったの?」


さすが理系女子、ズケズケ単刀直入に聞いてくるな

啓司のことは言う必要ないよね


「親に強力に勧められて」


「独身なのは今までいい縁がなくて」


工場勤務の木田さんが悲鳴に近い声を上げた


「美希さんみたいな美人さんが男に縁がないんじゃ、私なんか絶望的だ〜!」


けっこうおじさまたちに人気のある品管の曽我部さんが身を乗り出して


「あの、紹介される人ってどんな感じなんですか?」


と聞いてきた


皆机に両肘を乗せ身を乗り出して私を見つめている


「あ…と、ごめん、データはもらったけどまだ会った人はいない」


「なんか気乗りしなくて…」


「一応月に二人分のプロフィールが送られてきて、それを見て会いたいなと思う人がいればお見合いを申し込むシステム」


「逆に私のプロフィールも誰かのところに送られていて、それを見た人からお見合いを申し込まれ、こっちがOKしたらお見合いをするパターンも有り」


「あと、会うより先にメールで文通?みたいなことして気が合いそうだなと、確認してから会う場合もあって、メールのやり取りはあくまでもマリッジゲートのホームページ内でもらったアドレスでだから、あとのことを心配せずに出来るらしい」


「この前プロフィールが送られてきたのは37才初婚会社員、大卒、年収500万から550万、丸顔でメガネかけていて、ほんの少し前髪が薄い人」


「長男だけど親との同居は必要なし」


「そして趣味は映画観賞とお菓子作り」



「ふんふん」


みんな声を合わせて頷いている


女子たちの結婚相談所への興味は尽きず、その後私は彼女たちの質問に答えられるだけ答えた





「あーなんか今日は楽しかった」


「今後のためになるリアルな話聞けたし」


「もし結婚相談所に入るなら少しでも若いうちがいいんですね」


「美希さんがこんなにいろいろ話してくれる人だとは思わなかった〜」


「美希さんまた女子会やりましょうよ」


「なんか進展があったら教えて下さいねっ」


そんなことを口々に女子会はお開きになった




帰りのバスの中でどっと疲れが出る

ちょっと晒された感じ…

フフ、みんなの目には私は婚活頑張る三十歳独身OLと映ったかな


でも、久しぶりに女同士で飲むの楽しかった


ビールも、揚げ出し豆腐も、焼鳥も、ナスの浅漬も美味しかった

女の子同士の会話って一直線に進まなくって要所要所で脱線して…

純ちゃんの彼氏とのエビソード面白かったな

久しぶりに声を出して笑ったような気がする


私、こういう楽しみ捨ててきたな、六年間


啓司と暮らした六年は嘉一の言うように私の人生において失われた六年間…だったのかな?




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