表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/28

着信

昨日の女子会終わってからは、私はマリッジゲートのホームページをチェックするのをやめていた

なんとなくがっかりするのが嫌で


朝目が覚めてスマホに手が伸びたけど…

やめとこ、見るの


今日は昼過ぎの新幹線で実家に帰る

啓司と暮らしていた頃はお盆は家に帰らなかった

親からのあんな男とは別れろ攻撃されるのがイヤで


お正月だけ東海道線で帰っていた

新幹線の倍時間がかかるけど、節約のために


ああ、稼いだお金を自分だけのために使えるって素晴らしい

少しだけど貯金もできたし

お母さんに出してもらった五十万、夏のボーナスでとりあえずその半額を返すつもり

25万入った封筒をバックにいれてある




流しのほんの少しの生ゴミをビニール袋に二重に入れて縛る

軽くシンクを磨く

その後、お風呂場とトイレを掃除した


カーテンを閉めて弟のお古の黒い小さいキャリーバッグを持って部屋を出る

そしてバスに乗って駅に向う


新たなゴミが出るのがイヤで朝ごはん食べなかったから私は早めの昼食というか遅めの朝食をとろうと入った駅構内の喫茶店で、ぎりぎり間に合ったモーニングセットを注文した


長い間外食は控えていた

たまに啓司が行く牛丼屋に付き合ったくらいで

ほんとにたまに


今までボーナスは生活費の補填に当てていた

前にもらったボーナスが月々の生活費の赤字の補填で消える頃次のボーナスが出る

そんな綱渡りの生活


会社の人には男と同棲しているの知られたくなかったから、プライベートはほとんど話していなかった

生活苦であることも


でもわかっちゃうよね

ケチケチしてたの

佳世さんが結婚するときも、割り当てられたお祝い金は払ったけど、お祝いの会には出なかった


あのときは啓司がインフルエンザにかかって、それが私に移って医療費がすごくかかった月だったから心細くて五千円の会費を払うのも躊躇しちゃった


そういうのも悪かったんだよねきっと

だから亀女なんてあだ名つけられたんだよね…


食事が運ばれて来る間の暇つぶしにスマホを取り出す

どうしようかなと迷ったけど、マリッジゲートのホームページにアクセスしたら…


あった


メール着信


嬉しいと言うよりはほっとした

けれどそれは布津さんからのメールではなく荻野さんからのメールだった


題名はお知らせ


『布津宗幸様から、菊川美希様との交際を終了したいとのお申し出がありました

 ご本人様からは直接ご連絡しなくて申し訳ありませんとのメッセージをお預かりいたしております

 交際終了によりご紹介を再開いたします

二名様のプロフィールを添付させて頂きますのでご覧下さい』


え?

えっ?!

ええーっ!!


スマホを持つ手が震えた


何これ

私…

好きでもない男に振られた?!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ