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3/5

真実

 暇そうな友人を一人捕まえ、ごみ拾いをしていた。


 ちなみに友人は無理やり連れてきたので軽く機嫌が悪かった。だが彼もごみ拾いをして心が綺麗になったのだろう。突然語りだした。

 


 結論からいうと、



 テンプレ過ぎてつまらなかった。




 内容はファンタジー系の物語。魔物がいて、神様がいて、人間がいて、結構種族がいる。

 あと戦争を何百年やってたとか。

 その時点で無理なのに終いには狐の女の子を助けるお面をつけた二人組。

 うん、もうええやろ?


「てのどうよ!」

 彼は自信満々にどや顔で聞いてくる。笑顔で答えてやった。

「テンプレすぎてつまんね」

「んほお!?」

 彼にダメージが入った。ダメージ量は乱数で。

 ショック過ぎたのか、彼のごみを拾う手が止まる。そんなにショックなんやろか・・・。

「なんで!?なかなか良かっただろ!テンプレもあったかもだけど超オリジナルだろ!!」

「いやね?まず会話多いやん?もうその時点でアウトやから。読む気失せるから。あとテンプレしかなかったから」

 そこまで言うと彼はついに(?)膝をつき頭を落とす。メンタル弱すぎやろw。

「そ、そんな言わなくてもいいじゃないか・・・」

 ・・・うーん・・・俺の感想であって大衆の感想やないんやけどなぁ・・・。しゃあないなぁ。

「いや、ほらあくまで俺の感想やから。小説投稿サイトに投稿してんやろ?第一話くらいで」

 図星だったのか彼は勢いよく顔を上げる。

「なんで知ってるんだよ!?俺だれにも言ってないぞ!?」

「あんまり話すと長いからあくゴミ集めろよ」

 相手の都合は気にせず俺の都合だけ進めます。あくゴミ集めろよ。

「いや、あの、気になってゴミ拾いできないんすけど・・・」

 しつこいな (注)まだ二回目です



 さて、ゴミ拾いを始めてもう13時間ほどたつ。で、現在時刻、午後6時。


「辛い眠いダルい疲れた臭い重い帰っていい?」

 一体なんの呪文なんですかねぇ・・・。

「まぁ、ええやろ。結構集まったし」

 13時間は伊達じゃないな、ゴミ袋4つ分は集まった。貢献度は俺1彼3だ。こいつもなかなかやるじゃないか。


 言い忘れてたけど、現在地、山。季節、夏。

 山の中涼しいのか暑いのかよくわかんね。


「なぁ、山田よぉ」

 今日の成果について考えていると横から口を挟んでくる新田。

「なんぞ?」

 ずっと聞きたかったのだろう新田は予想通りの質問を投げかけてくる。

「このゴミ何に使うんだよ」

「俺の村を作ります」

 新田は憐れみと嘲笑と不安の混じったなんともまぁ不思議な目で俺を見る。なんや、変なこと言うたか?

「それは俺も手伝うのかな?(震え声」

「好きにせぇ」

 新田の顔が明らかに嬉しそうだ。腹立つ。


 他人の幸せほど憎いものってないよな。ガチヤとかで10連引いて自分はクソどうでもいいの引いたのに、ノリでやった友達とかは自分が欲しいの出すとか(ただの嫉妬ですね)。


「もう作る場所とか決まってんの?」

「うんや?決まってないねー」

「場所決まってないのにやるのかよ・・・」

 うん、まだ素材集めの段階だから。欲しい装備の素材調べて集めるけど、どこに作るとかは別なの。まず必要な素材集める人なの。

「ほら最悪この辺でできなかったら他の種族のとこにお邪魔しますすればいいだけだから」



 この世界には結構種族がいる。種族というかなんというか、魔物だな。RPGでいうところの敵よ、敵。

 上半身だけ人で下半身が別の生き物とかよくいるから。

 補足いれると、人間社会にわけわからんらんな生物がこんにちはしたのって結構最近。7年前なんだよね。まだ俺が高3の時だな。いきなり出てきてじゃじゃじゃじゃーんですよ。人間大混乱。これ人間終わったわー、とか思ってたら、向こうはこっちに興味深々なのよ。詳しいこと話すと長いから省くけど、人と魔物。結構上手くやってます。犯罪件数は増えたんじゃねーかな。人が魔物襲うときもあれば逆もまたあるわけですよ。あと魔物に魔法教えてもらったくらいかな。



「大丈夫か? 他の種族っていっても・・・ほら魔物のメスに連れてかれたら・・・」

「どっち道家作るし、結婚もしたいし、子供できるし、向こうは嫁さんどんだけいても気にせんみたいやし、いけるやろ!」

 あーまじ楽しみやわー(棒

「仕事どうすんの」

「やめるわ」

「ふぁっ!?」

 だよねー。そんな反応くるよねー。

「いや、おま、やっとやりたい職についたんだろ!何考えてんだよ!」

 なんで怒るんやろか、俺の人生なんだから俺の自由だろ・・・。

「別にええやん。そもそも俺会社の為とか社会の為とかに働くの嫌やし、最後に俺の為に働いてるとかも嫌やし、やりたいことやって死にたいわ」

 俺がそんなこと言ってると新田はぽかんとしていた。まぁええよ。誰かにわかってもらおうとか考えてないしな。





 ガサッ




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