其の捌:奥様は魔女、彼は四神流
今回はややシリアス多め…かな?
「…気になる…」
「何が? 」
そりゃ凰輝、 あんただよ
昨日は機嫌悪くてとばっちりくうし。
そもそも“桜花正拳”って技は何なのさ。
街では他にも“散壁裏拳”とか“斬撃手刀”とか“衝覇正拳”とか放ってたらしいし
「だぁぁあぁぁぁあぁぁ!! 」
「ウワッ!? フィア何なのさイキナリ!? 」
「あ―!! もう!! 気になる!!
凰輝!! 桜花正拳って何!? なにか武術修めてるの!? 」
「…知っているのか…しゃぁねぇな…」
お、 話してくれるんだ。
ワクワク
「言っとくが長くなるぞ」
「ソレデも良いから!! 」
「……古代武術“四神流”
俺が扱っている武術だ。
始まりを遡ればキリがない。
“氣”というものを練り上げて放つ技が殆どだ。
吹き飛ばすことを重点に置いた“桜花”
同じ古代武術が放つ防御技を撃ち破る“散壁”
破壊力第一の“滅鬼”
氣を鋭くして相手を斬る“斬撃”
氣を飛ばす遠距離技“衝覇”
…この五つが基本かな。
まぁ勿論“鉄鋼防風”のように変わった技もあるが
あとは“正拳”“裏拳”“蹴撃”“手刀”みたいに放つ形態に“連”“重”“乱”“貫”“改”といった応用技
あと、奥義だな。
…まぁココまでで質問は? 」
「…」
「…」
「……」
『Zzz』
「……geeeet uuuup!! 」
ガン!! ゴン!!
「フギャ!! 」
「ミギャ!! 」
「なんなら今ここで奥義放ってもいいんだが…? 」
『…ご、 ごめんなさぁぁぁあぁぁあぁぁぁい!!!! 』
よく分かんないけど怖い怖い怖い…
なんかヤバいオーラだしてるし。
「…“四神流”は古代武術の中でも最強を争う程の強力な流派だ」
凄いな…
というか古代武術は他にも有るんだ…
「その為に他の流派が襲いかかることがあるんだよな〜メンドイことに」
メンドイのか…?
面倒くさいのか…?
「昨日、 その一人が来たんだよ鬱陶しい」
あぁそういうことか
だから昨日不機嫌だったのか…
「さて…何時来るかな…? 」
「何時…? 」
「来るのか…? 」
「恐らくあれは“美空流”か…いや“cried style”かな…? 」
『………』
よく分かんない……
「まぁ来ても返り討ちにする気だがな」
………………
こ、怖い…
「凰輝さん…」
「何だ? 」
「お腹空きました…」
雷華何言っているのさ…
でも、 その一言が凰輝を和らげたみたいだ。
優しく微笑むと雷華の頭をなでまわすと台所に向かう
「…今日は肉じゃがにすっか!! 」
『わ〜い!! 』