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其の漆拾参:語りゆく者と語らぬ書と


………お、 連続とは珍しいな

篠田恭介だ

今日は近くの本屋に来ている

店名は“TATSUYA”

TSUT〇YAじゃないぞTSUT〇YAじゃ


「さてと……“ジョンプ”はっと……」


これもジャ〇プじゃないぞ

ジャ〇プじゃ


なぜかこの玉藻町、 特にココ西玉藻はおかしいのが多い

ウチの高校、 玉藻高校も実は略称で、 正式名称は“|皇化西南西特殊玉藻高等学校VX(こうかせいなんせいとくしゅたまもこうとうがっこうブイエックス)”というくそ長い上に突っ込みどころ満載の名前なのだ

まぁ、 順々に突っ込んでいくと

皇化ってなんなんだよ

西南西は置いといて、 特殊ってなにが特殊なんだよ

VXに意味あんのかよ、 そもそも名前が長ぇ

……っとこんなもんか


おっと、 話を戻そうか


とにかく、 今俺は本屋に来ている

理由は……マンガの立ち読みだよ文句あっか


とりあえず……ん?


「へ〜色々と新しいのが出てるみたいだな」


〈新刊! 〉と書かれている棚には結構な量の本が置いてあった

新刊を買う予定はないが、 最近は少々懐に余裕があるから何冊か買っておこうかな


「……へぇ、 結構面白そうなのが……」


新刊の棚からカラフルな本を取り出す

帯には「あの大人気作が遂に小説に! 笑い死に注意! 」と書かれていた

タイトルは……


「“中東虐殺の歴史”……笑えるかぁ!! 」


暗いよ! これで爆笑したら中東の人に殺されるぞ!?

しかも、 なんでカラフルなんだよ! 大人気作なのか!? 聞いたことないぞ!!


俺はそのまま本を棚に戻す

こんなムズいの読めるか


そのまま適当に本を取り出す


「英語の本か? ……少し簡単そうだな」


可愛らしい男の子の絵が描かれているやや薄手の本

タイトルは英語で書かれている

英語は苦手だから買っておこうかな……


「オイ篠田、 それ買うのか? 」

「ん? 凰輝か、 知ってるのか? 」


偶然、 同じ本屋に来ていたらしい凰輝が俺の持っている本を覗きこむ


「知ってるもなにも……持ってるぞ」

「ホントか? どんな話なんだ? 」

「え〜と……たしか……

 7歳ぐらいの男の子が変態共に××(チョメチョメ)されるという……」

「OK、 みなまで言うな」


そのまま棚へ戻す

意味が分かった人はなかったことにしてくれ

意味が分からなかった人はそのまま気にしないでくれ

こんなの読むほど俺は腐っちゃいない

そもそもそんな本を平然と並べるな、 店長


「そういや凰輝はなんでココに? 」

「本を買いにだ、 他に理由がありか? 」


ないな


「ちなみに本のタイトルは“中世・近代の拷問法”だ」


コイツらしいといえばコイツらしい


「結構ベストセラーらしいぞ」

「なんでだよ、 なぁ、 なんでだよ」


やっぱりこの町はおかしい

色々と


「じゃあ、 俺はその本を探しにいくから」


そうして、 凰輝は歴史関連の本がある棚へと向かった

そっちにはないような気がする。 なんとなく


「……ん? この本って……」


ボロボロの本を新刊の棚から取り出す

なんでこんな本が?


「初版発行は……なんだ、 最近じゃねぇか

 なんでこんなにボロボロに? 」


タイトルは“中世・近代の拷問法”

…………お〜い、 凰輝

あったぞ〜

ちなみにボロボロになっているわけは


“雰囲気出すために頑張りました♪ キャハ♪ by店長”


キャハ♪ じゃねぇえぇぇえぇぇぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇぇえ!!!!


なんとなくそのまま“中世・近代の拷問法”を棚に戻す

あとで教えておこう


……ん? これは?


「推理物か? 」


適当に取り出した本、 その裏表紙にはあらすじか書かれていた

内容はこう


〈北の山荘で起きる連続殺人……

 密室! 不可能! 完全犯罪! あなたはこの謎を解くことが出来るのか!?

 鬼才赤田桃子作“警部補・山口健太郎の事件日誌”最新作!! 〉


「へぇ、 面白そうだな」


推理小説に興味はなかったけど、 読んでみようかな

そう思って本を表返すと……


“警部補・山口健太郎の事件日誌12

 北風山荘完全犯罪〜犯人は有馬〜”


サブタイトルでばらしちゃったよ!! 犯人!!

売れるの!? ねぇ、 これ売れるの!?

そう心の中で突っ込みつつ、 本を棚に戻す


「……ん? 」


なんとなくのノリで隣の本に手が伸びる

そこには……


“勇者以上魔王以上”


コロコロ先生ごめんなさぁあぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁい!!!!!


〈魔王と勇者と最強の青年とで繰り広げられる最凶ラブコメ!!

 突っ込みヘタレマンや寡黙な女戦士、 変態魔族に虫等々……彼らは今日もばか騒ぎ!! 〉


今、 シリアル入ってんのになにこの宣伝!?

しかも、 突っ込みヘタレマンとか変態魔族とか虫ってなんなんだよ!!


そのまま、 隣の本を取り出す


“Chicken Of Chicken 〜影薄たちの憐れな唄〜”


ハイ、 戻す〜

作者“柿田吾朗”ってふざけんな〜

帰れ、 クズが


さらに隣へ……


〈悪人を狩る破人(はにん)―――

 今日も破人の彼女たちは、 大家に振り回されながら、 悪人たちを叩きのめす! 〉


…………

気ノセイダヨナ?


“Monster Houseへようこそ”


ハイ、 アウト〜〜!!!!

今作者が考案中の短編じゃねぇかぁあぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!






………………






これ買お




コロコロ先生ごめんなさい……

「勇者以上魔王以上」ただいま小説家になろうで絶賛公開中です


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