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其の漆拾:恐れられる“滅び”の力

もう少し、 早めに投稿したかった……


しばし、 殴打音や骨が折れるような音、 その他もろもろが塀の外から聞こえてきたが私たちはあえて無視した

え? その他もろもろがなんだって?

……言いたくないよ、 というか言わせないでお願い


「紗……」


あ、 やば

そこにはいつからいたのか鬼神よりもはるかに恐ろしい表情をした凰輝がいた


「い、 いやあのわ、 若葉ちゃんがいるs「んなもん知るかぁあぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!!!!!! 」わぁあぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!!! 」


鬼神(おうき)の手が翻った瞬間、 私の目の前は急激に回りだした
















しばらくして、 私はみんなの力を借りて、 埋められた塀からようやく脱出した


「死ぬかと思った……」

『普通は死んでます』


3人の突っ込みがキレイに重なる

あ、 3人っていうのは雷華ちゃん、 スチルちゃん、 フィアちゃんの3人のことね

レナートさんと琥鈴さんは凰輝と一緒にさっき帰っちゃったらしい

さっき聞いたことだからさ、 確証はないんだけどね


「紗さん……」

「ん? なに? 」

「さっきキマイラが言っていた“忌み子”ってなんなんですか? 」

「…………」


思わず無言になる私

言うべきなのか、 言わざるべきなのか……

いや、 今のうちに言った方が後々楽かもしれない


「少し長くなるし……色々な意味で危険なことに巻き込まれるかもしれない……それでもいい? 」

『ハイ!! 』


気持ちいい挨拶をする3人

さてと、 ドコから話し始めようかな……


「そもそも“属性”って知ってる?

 生き物の魂は本来様々な“属性”を秘めてるんだ

 大体が“火”“水”“雷”“風”“土”“光”“闇”“無”の8種類なんだけど、 たまにそれ以外の“属性”を秘めている場合があるの

 それが“忌み子”

 どんなのかと言うと“(かわき)”“(うるおし)”“(なげき)”“(よろこび)”“(たかぶり)”“(たのしみ)”“(つくり)”そして、 “(ほろび)

 凰輝はその1つ、 “滅”の“属性”を秘めているの

 “忌み子”はただ、 変わった“属性”を秘めているだけじゃないの

 大半が凄まじい力を秘めている上に、 “変化能力”さえあるの

 変化すると、 異常な戦闘能力、 生命力、 さらには飛行能力さえ得られるのもいる

 だけど、 やっぱり大半がその能力に耐えられず、 精神に異常をきたしたり、 自分から崩壊することも多いの

 だから“忌み子”

 “忌む”べき哀れな者たち」


今でも静かになると、 目を閉じると思い出す

嘆きの叫びと、 哀しみの泣き声


―――消えろ!! この化け物がぁあぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!!


凰輝に向けられた怒りと嘆きの雄叫び

私に向けられたわけじゃないのに酷く傷ついたのを覚えている

じゃあ、 向けられた本人はどれだけ傷ついただろう


『…………』


しばし、 無言になる3人

私ですら想像もつかない悼み

もう話すのは止めておこうかな……

いや、 ここで止めるわけにはいかない


「“忌み子”はすべてってわけじゃないけど……

 凰輝は“西上家”の、 しかも“四神流継承者”でしょ?

 凄まじいなんてレベルじゃないぐらいの

 その気になれば地球どころか、 宇宙の1つ2つぐらい滅ぼせる力を持っているらしいの」


らしいっていうのは私もそんな力を見たことないから

見ていたらおかしいけどね、 世界1度滅んでることになるじゃん


「そんな恐ろしい力を持っていたんですね……凰輝さん……」


雷華ちゃんが恐ろしげに呟く

私自身も初めは“近づくな、 関わるな”って本能が警告していたしね

その本能を信頼しなくて、 後悔したこともしなかったことも多々あったなぁ……


っと、 続き続き


「赤ん坊ってか弱いでしょ?

 だから、 自分自身を守るために少しのことにも過剰に反応するの

 大声とかにすぐに泣くようにね

 そして、 凰輝の氣は大声なんかよりも恐ろしい存在らしいの

 だから、 若葉(かのじょ)は泣いた

 自分よりはるかに恐ろしい存在を察知したの」

『…………』

「だから凰輝は赤ん坊に近づかない

 近づけたら泣かせてしまうから

 凰輝が離れても、 疲れはてても

 熱が出るまでずっと

 これが凰輝が赤ん坊に近づくのを嫌がった理由」

「そんなことが……」

「大変なんですね……」

「でも……なにか、 少しかわいらしいですね……」


うん、 私もそう思う

イビる大チャンスだしね

クヒヒヒヒッ


「紗さん……変な笑いは止めてください……」

「勝手に心を読まないでくれる? 」

『聞こえてました』

「え? 本当? 」


自分でも知らないうちに笑っていたなんて……

うん、 気をつけよ


「あ、 そうそう最後に

 決してこのことは凰輝に言ったらダメだよ

 言ったら……わかるよね? 」

『は、 はいぃ!! 』


うん、 いい返事だ

私たちはこのあと、 しょうもない会話をしてから別れた






下弦の月は闇夜を切り裂くように光っていた
















翌日、 なぜか雷華ちゃんとフィアちゃんはボロボロになっていた

……喋ったんだね

あれほど言ったのに……


「すぅうぅぅずぅうぅぅぅぅうぅぅうぅぅぅう♪」


あ、 やば


「話したんだなぁあぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁ♪」


に、 にっげろぉおぉぉおぉぉぉぉおぉぉぉおぉぉおぉおぉ!!!




これでキマイラ編も終了

次回から再びギャグ中心に


1つ、 キマイラをマンティコアに改名したほうが良かったのか考え中

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