其の陸拾壱:亡者を統べるは白銀の姫・壱
最近、 ギャグが減ってきている気が…
なんとかしないとなぁ……
「………」
「凰輝? 」
「……そろそろか…」
「そろそろ…ですか…? 」
どうも、 紗です
今日は学校が早く終わり、 凰輝の家に集合しています
でも、 帰ってきてから凰輝は戦闘モードに
理由は恐らくユキナさんだろう
あの人とは1度出会ったことがある
あの人は
あの流派は
強い
豊華流や音無流よりもはるかに強い
最強と言われている四神流ともほぼ互角とも言われている
「凰輝さ〜ん。 ヒマですぅ〜」
「ヒマだぁ〜」
「Shut up. fools(訳・黙れや。 ボケ共)」
『はいぃ!! すみませんでしたぁ!! 』
異様なまでに放たれた殺気にビビって焦る2人
いつの間にいたのかレニーが持ってきたお茶を凰輝たちに配る
それをすする私たち
一見和やかそうに見える雰囲気だけど、 凰輝から放たれる殺気や張りつめた空気がそれを裏切っている
「ったく……来るなら来いよなぁ…」
「あ、 あぅあぅ……」
「お、 おぅおぅ……」
「あぅあぅ♪」
「あぅ…あぅ……? 」
「スチルちゃんマネしなくていいから」
傍目に見れば平和な日々の1ページ
だが、 それもいつまでもつのやら
ユキナさん、 来るなら早く来てください
「……雷華」
「ハイ? 」
バチィ!!
デコピン1発
どれほど手加減したかは知らないけど、 雷華ちゃんは後ろに吹き飛び、 庭に転がり落ちた
起き上がった彼女の額にはタンコブが赤く、 大きく膨れ上がっている
「いだぁ!! な、 なにするんですか!? 」
「ノリ」
「一言で片付けないでください!! 」
「文句あんのか? 」
「いえ! なんでもありません!! 」
文句から一転土下座へ、
悲しいけどこれが現実
ピンポーン♪
『………!! 』
これ以上ないほど張りつめられた空気にさらに緊張が走る
凰輝が慎重にドアに近づき………
ガチャ
「HEY! 凰輝、 スチルちゃ「カエレ」」
バタン
開けたそこにはロリコンがいた
しばし無言になる面々
チャイムは再び鳴りはじめている
しばし耐えていた凰輝だけど、 耐えきれなくなったのか、 扉を乱暴に開ける
「凰k「“桜花正拳・連”ぇ!! 」
ドガガガガガガガガガガガガ!!!!
キィラァン☆
ロリコン空の旅へ
「次回の“神様と私”は“チャン、 大空へ”お楽しみに♪
ジャーンケーンポン☆
ウフフフフ♪」
「レナート、 サザエ〇んか」
「……サザエ…〇ん? 」
分からないと言わんばかりに首をかしげるレニー
イタリアでは放送してないらしい(たぶん)
「大変だねぇ」
「はい……って誰ですか? 」
そこにいたのは蒼い髪に碧眼の女性
白を基調としたロングコートに魔女を連想させるような白い三角帽子
彼女こそユキナ・ローヴェティーネ
白銀流の使い手だ
そして、 側には彼女と同じ蒼い髪に碧眼の幼女
ユキナさんの娘、 フユカちゃんだ
「ユキナさん!? いつの間に!?」
思わず大声で叫んでしまった私は、 凰輝から「うるさい」と顔面に裏拳を食らう
ガン!
鈍器がぶつかるような音に似合う威力が炸裂
「〜〜〜!! 」
痛い、 もっのすごく痛い
ふと、 顔を押さえた手を見れば血がついている
鼻骨も折れたみたいだ
「窓から
開いていたからね」
「へいがボロボロだけど、 ど〜したの〜? 」
「激戦の後」
「3人ともマイペースすぎません? 」
「キニスンナ」
「気にしないで♪」
「キニスンナ♪」
張りつめた空気から一転穏やかな雰囲気に
…………と、 思いきや
凰輝とユキナさんの間に激しい火花が散り始める
その激しさに雷華ちゃんたちがあわてて凰輝たちから逃げ出す
「さっそくだけど……
ぶっ殺しにきたよ? 」
「ぶっころ〜す♪」
「ころ〜す♪」
「よし、 まずはレナート、 お前表出ろ」
「冗談だよ兄貴♪」
「death or died? 」
「それ訳すれば“死か死ぬか? ”だぞ
しかも、 発音なめらかすぎるだろ」
次々に突っ込む凰輝
それにしてもユキナさん“ぶっ殺しにきたよ♪”って………
と、 ここでフィアがユキナちゃんとともになにかを取り出した
それは看板らしきものだった
そこに書いていたものは………
「“次回に続く”♪」
「つづくぅ〜♪」
いやいやいや…………