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其の伍拾伍:彼らの両親と継がれた想い

しまった!! サブタイトルと関係ないかも!!

…まぁいいや

「そういえば…

ずっと気になってたんですけど……

凰輝さんたちの両親って…」

「…………」

「…………」




ウィッス、 琥鈴だ

雷華っていうバカが私たちの両親を聞いてきたので……


バキィ!


「お、 凰輝さん! なにするんですか!? 」

「………」


殴ろうと思っていたのだが、 先に凰輝が殴っちまった



チッ



「…ちょっと黙ってろ」

『は…はい………』


本気で殺気を放つ凰輝にビビる3人

レナートはビビってない、 むしろ殺気を受けて眼を鋭くしている






これは私の意見だが、 レナートは普段はバカな振りをしているが、 本当は賢いと思う

なぜにバカの振りをしているのかは分からないが、 レナートは絶対なにかを隠している

まぁ、 そんなことは知ったこっちゃないがな

誰にだって隠したいことはあるだろうし






「お袋や親父はとっくに死んでるよ」

「……!!! ………すみません…」

「なぜに謝る? 俺は“死”なんて見慣れている」

『………はぁ? 』


平然と言ってのける凰輝にすっとんきょうな声を上げる4人

今度はレナートも混ざって声を上げる


私自身知っている


いくつもの“死”の香り


(にわとり)の首を絞めて殺したことがあるし

近所の野良犬を叩き殺したこともある」

「へ、 へぇ……そうですか…」


呆れるスチル

凰輝の言葉に重ねるように私も言う


「そのたんびにお母さんに言われてたよ

“誰にでも1度くらいは罪を悔いて、 やり直すチャンスは与えないといけない

だからこそ、 命は簡単に奪うべきではない

もし、 やむなき理由で命を奪ってしまったなら、 その命を決して忘れてはいけない”って」

「へぇー……」

「いい言葉ですね……」


そう、 いい言葉だ





普通なら


「でも、 “ヒグマが食いたい”という理由でヒグマの頸骨を片手でへし折っていた人物が言うセリフじゃないだろ? 」

『……え? ヒグマ? 』

「ヒグマ」

「ヒグマ? 」

「ヒグマ。 」

「片手で? 」

「片手で。 」

「へし折った? 」

「へし折った。 」

「食べたいから? 」

「食べたいから。 ………ってなんだこの中途半端なループは」


中途半端なループを終わらせ話を元へと戻す


「まぁ、 お袋はお前らも1回会っただろう? 」

「えぇ、 え〜と…

たしか冥界で1度……」

「うん、 お母さんは武人だったからねぇ…

四神流の先代継承者は実はお母さんなんだ

お父さんは西上家に婿養子に行ったから」

「へ、 へぇ……そうなんですか

お父さんやお母さんはどんな人物なんですか? 」

「親父は……打たれ強かった」

「打たれ強かった? 」

「あぁ、 お袋の大木をへし折る正拳突きにも口から血を滴らせながら笑っていれるほどな」

『………え? 大木をへし折る? 』

「へし折る。 」

「だれがですか? 」

「お袋。 」

「ど…どうやってやるんですか? 」

「正拳突き。 」

「……え、 え〜と……」

「なんもないなら言うな 」

「は、 はい……」

「お父さんが笑ってることには突っ込まないんだね………」


私は軽く呆れながら、 4人を見た


『あ。 』


4人は気がついたように言う

凰輝はやれやれと言わんばかりに首を振る


下らない


「ほ、 他の特徴はなんなんですか? 」

「優しかったねぇ……」

「優しかった

昔、 高い高いで飛行機を見たことがあったっけ」

「………ひ…飛行機………ですか……? 」

「そのままライダーキックで戻ってきたからなぁ

小さいクレーターができたときは笑っていたよ」

『…ク……クレーター……わ……笑っ……』

「兄貴凄ーい♪」


凰輝の体験談に顔を青ざめてながらひきつらせる3人に対するように笑顔で凰輝を誉めるレナート

凰輝は立ち上がり、 湯を沸かす


「お母さんはどんな人だったんですか? 」

「気さくな人」

「…気さく…ですか…? 」

「そう、 笑顔でアスファルトを割る人だった」

「…凰輝さん家って…」


なにかを決意したように雷華が言う


「……あぁ? 」

「…とんでもない…一家なんですね……」

「まぁな」


凰輝は沸かした湯で紅茶を作り、 飲み干した

…あ〜


「私にも紅茶入れて」

「イヤだ」


けち


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