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其の伍拾肆:彼らと終えろ体育祭!

いよいよ体育祭編も最終章!

結果はあなたの目で確認を


どうも、 凰輝だ

最近俺の影薄くね?

まぁ、 いいや


遂に競技もこれで最後となる体育祭

最後の競技……それは…




「“全学年メドレーリレー”? 」

「あぁ、 この体育祭の目玉みたいなやつでな

各学年からそれぞれ3人出てくるんだ」

「それに優勝したら100点! 最後にして最大の逆転チャンスってわけ!! 」

「へ〜……」

「まぁ、 それでだ…

不運にもウチの組から1人気分を悪くして休んでる奴がいてな」


騎馬戦が終わった辺りからな

やっぱあれか?

アイツの鳩尾に肘を叩き込んだのがいけなかったのか?


「そいつの代わりに出てもらいたいんだg「出る! 絶対出る!! 」あっそ」


メラメラと闘志を燃えたぎらせながら、 フィアは俺の言葉をさえぎる

4、 5発くらい殴りたくなったがここは堪えておこう


Cool down

Cool down


《いよいよ! 最後の競技“全学年メドレーリレー”だ!!

出場者は集合場所に集まれ!! 》


「おっし、 行くか! 」

「おう!! 」

「頑張ってね!! 」


紗の応援を受け、 俺とフィアは集合場所へと向かう


「行くぞぉおぉぉおぉぉぉぉおぉぉぉおぉぉおぉおぉ!!

野郎共ぉおぉぉおぉぉぉぉおぉぉぉおぉぉおぉおぉ!!! 」

『うおぉおぉぉおぉぉぉぉおぉぉぉおぉぉおぉおぉ!!! 』

「shut up(訳・黙れやボケ共)」




〜〜ちょっと待ってね♪〜〜



《位置について…用意…!! 》


タゥン!!


拳銃から乾いた音が響く

それと同時に6人が一斉に走り出す


全学年メドレーリレー

まずは1年からだ


「うおぉおぉぉおぉぉぉぉおぉぉぉおぉぉおぉおぉ!! 」


代組のくそやかましい気合いの声に他の組が怯む


最初に広がった差は埋めようがなく、 そのまま1位で代組の2番手が走り出す

次々と渡されるバトン

緋組から恭介が3番手として走り出す

意外に速い

首位を貫いていた代組との差を一気に詰めて、 追い越す

この逆転劇にはどの組も予想していなかったのだろう

声が次々と漏れる


「やるじゃねぇか恭介!! 」

「先輩頑張って!! 」

「地味にすげえぞ!! 恭介!! 」

「地味だけどすごいっす先輩!! 」

「地味だけど!! 」

《速いぞ緋組! 地味だけど!! 》


「俺ってそんなに地味……? 」


バトンを4番手に渡したあと、 恭介は燃え尽きたように呟いたそうだ

青葉いわく


彼女は普通に「地味だ」と返答したらしい

俺も同意見だ


他の組の4番手、 5番手の活躍もあってか

6番手にバトンが渡るころには、 ほとんど横並びになっていた

蒼組(ウチ)からはフィアが緋組からは雷華が出ている

そういえばスチルとレナートは出てねぇな



「うりゃあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!! 」

「だあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!! 」

「ほわたあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!! 」


全力疾走する緋組、蒼組、 愛組の3人

他の3組をぐんぐん引き離していく

というか最後の声はなんなんだ?


「うわっと! 」


雷華がバランスを崩す

それにつられるように愛組の奴もバランスを崩し、 こける



タイミングが


悪かった


《あぁ〜っと!! 蒼組! 愛組に引っ掛かりこけたぁ!! 》



3組の中で最後尾にいたフィアは愛組の奴がこけたために、 その体に引っ掛かり

こける

雷華はバランスをどうにかたもちながら、 先へと疾走する


「くそっ…!!



負けっぱなしは……!!



嫌なんだよぉ!! 」


そう言い放つと、 素早く体を起き上がらせ、 フィアは疾走する


リレーでこけたときにもっともタイムロスとなるのは痛みで起き上がれなくなる時間だ

傷の痛みよりも実は時間のロスにつながる


その点、 フィアの起き上がりは素早かった

雷華に追いつこうと全力で走る

やがて、 追いつき


そして、





《蒼組! 緋組を追い越したぁあぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!! 》

『よっしゃぁあぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!! 』


蒼組(ウチの)陣営から沸き上がる歓声

それに後押しされたようにフィアはスピードを落とすことなく、 7番手にバトンパスをする

少し遅れて雷華もバトンを次につなぐ




だが



7、 8番手とも遅く次々と抜かされていく


「なにしてんだよ……」


9番手(さいご)の場所で待機している俺は、 呆れたように呟くしかない

他の5組が次々とバトンパスするなか俺はアグラをかいて待つ


「おまたせ…って、 うおぉおぉぉおぉぉぉぉおぉぉぉおぉぉおぉおぉい!? 」

「遅い!! 」


8番手が息を切らせながらの突っ込みを怒りの1言で切り返す

普通にバトンを受け取り、 自慢(? )の駿足で駆け抜ける


《来たぁあぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!!

西上凰輝! 神速の格闘家ぁ!! 》

「それ少し大げさ」


大げさな司会に突っ込みながら、 一気に3組抜き去る

残りは代組と姫組

だが、 ゴールも近い



仕方がない



グラウンドを蹴り砕きながら、 神速の域に達する




周りからは俺の姿は消えたように見えただろう

グラウンドを砕きながら、 確実に残りの2人を追い上げていく


そのままゴールテープを斬る

その字のとおり、 ゴールテープは一刀両断される



《まさかの大逆転!!

蒼組逆転優勝!! 》


「凰輝ぃ! やってくれたぜ!! 」

「凰輝、 お疲れ様」

「…ん、 まぁな」


《そして、 MVPは…!!

フィアに決定!!! 》

「エ…MVP?? 」

「最優秀選手賞のことさ

金一封が送られる」

「き…金一封!?

よっしゃぁ!! 」


無邪気に喜ぶフィア

走りながら雷華たちの元へと駆け寄っていく


ふと横を見れば重松先生がいた

懐かしいな、 オイ


「いいねぇ…青春って」

「あんたはドコのババァだ? 」

「ほっとけ

それにしても……」

「あぁ……」


重松先生も同じ考えに達したらしい


「あんなに無邪気に喜んで……






金一封の正体が鉛筆2ダースとノート6冊だとは知らずに……」

「もうちょいいい賞品にしろよ

今どき鉛筆はないだろ鉛筆は」

「私もそう思う……」



体育祭の終わりを告げる音は蒼組の声にかき消えて、 聞こえなかった………




最近、 長編を書くことが多くなってきた気がする…

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