其の伍拾弐:彼らと競え体育祭!
《ただいまより、 “徒競走”を行う!
選手のみんなは規定の位置に集まれ! 》
「だれか行くのか? 」
「俺。 」
どうも、 紗です
いよいよ始まった体育祭
全ての組が必死に準備をしています
その中でゆっくり準備をしている男
そう、 西上凰輝
「さてと、 行ってくるか」
「ハイハイ、 頑張って」
軽く腕を振り回しながら、 肩を鳴らしつつ出陣する凰輝
全員の準備が整い、 それぞれのレーンにつく
そして、
「よ〜〜い……」
ドゥン!! ヒュゥン!!
「ゴール」
『………え? 』
………あ〜
いらないかもしれないけど一応説明を
銃が鳴る、 凰輝が走る、 凰輝ゴール、 終わり
もう、 それ以上でもそれ以下でもない
本当にただそれだけ
……少しは手加減してあげて
《……結果を発表する!!
1位蒼組、 2位代組、 3位緋組、 4位翠組、 5位姫組、 6位愛組》
このあとは凰輝のような圧倒的なレースもなく
結果
愛組+33
姫組+29
蒼組+28
代組+28
翠組+26
緋組+22
ちなみに6回レースで、 1位が10点
2位が7点
3位が5点
4位が3点
5位が2点
6位が1点
ヒマな人はどの組が何位をどれだけとったか数えてみるのもいいかも
「…だらしないですね」
「愛組と11点差か…」
「つ、 次に期待しましょう!! 」
「このまま突っ切ろうZE♪」
緋組からは落胆と期待の声があがる
愛組からは期待と喜びの声があがる
蒼組はただ1人西上凰輝が不満の声をあげていた
「たっく…3位かよ…」
「だ、 大丈夫だよ!! 騎馬戦とか、 組対抗リレーとかは得点高いから!! 」
「…あとで、 あのボケ殺す…」
「お、 凰輝落ち着け!! 落ち着いてくれ!! 」
あのボケっていうのは1番最後に最下位になった人
今のうちに逃がしておこうかな……
次は昔なつかしパン食い競走
翠組からはスチルが出場している
小柄ながら1番速い
やがて、 6つあるうちの1つのパンにかぶりつく
ハムッ………
「!?!?!?!? 」
突然つまずいてもいないのに地面を転がりだすスチル
「当たったね………」
「当たったな……」
そう、 我が高校には毎年のようにパン食い競走が行われている
そして、 その6つあるパンのうち、 1つになぜかあんのかわりにワサビが入ったパンがある
どうやらスチルがそれにかかったらしい
いまだゴロゴロ転がり続けているスチルは、 他の人に抜かされながらも3位で無事? ゴール
「だ、 大丈夫!? 」
「…ひぇんひぇんらいひょうふひゃあひはへん…(訳・…全然大丈夫じゃありません…)」
「たっく…だれだよ…言っとけって言ったろ」
………こういうことがあるため、 パン食い競走は徒競走よりも得点が高い
なお、 このあとは2回連続でうちのクラスにワサビパンがきた
だけど、 凰輝の怒りの方が恐ろしいのか
なんと3回終了で25点という高得点で終了
ちなみにパン食い競走の得点は
1位15
2位10
3位8
4位5
5位3
6位1
各組の結果は
蒼組+25
緋組+23
翠組+23
愛組+19
代組+19
姫組+17
「おっし! 抜いた!! 」
「このまま突っ切ろうぜ! 」
わずか1点差だが、 確実に蒼組は愛組を抜いて、 首位に躍り出る
緋組も蒼組と8点差とほんの少しだが差を詰めることができた
そのあと、 1年や3年の競技が続き、 翠組が首位に躍り出た
《今から昼休みだ!! しっかり栄養と休養を取り、 後半戦に挑め!! 》
その言葉に張りつめていた空気も若干和らぎ、 各々が自由に昼食をとる
「後半の方が得点が高いからな、 しっかり喰えよ」
凰輝がそんなことを言わなくてもフィアちゃんたちはお弁当を必死で頬張っている
凰輝も今回はなにも言わず、 自分が作ったお弁当を食べていた
「…得点差…大丈夫か? 」
「言っただろうが、 後半の方が得点が高いんだよ
だから、 今は喰え」
今、 翠組と蒼組の差は27点
少々厳しいが、 全くというわけでもない
「そういえば凰輝ってこういうのに結構熱くなるんだな」
「ん? あぁ……
これはノリだ」
『………………
え? 』
「だからこれはノリだ」
『…………………』
もう、 どうでもいいや……
昼食が終わり、 4×200mリレーも順調に進んだ
………え? ココで切るの?
〈Yes♪by作者〉
〜現在得点〜
緋組202
蒼組197
翠組209
愛組152
代組150
姫組160
うっわ……点差偏りすぎじゃん
〈ほっとけ by作者〉