其の肆拾弐:彼らと共に冥界探検・弐
今回は久々に短め
司会は相変わらず私、 黒龍が務めさせてもらう
彼らは相変わらず冥界の中、 叶子の説明を聞いている
「……なるほど、 昔行ったときに会って知り合ったんだな」
説明を聞いた恭助が納得したように言う
それに凰輝と紗が頷いて反応した
どうやら青葉は別の時に知り合ったようだ
「青葉はいつ知り合ったの? 」
「…昔のことです」
「いえ、 それはもう分かってますから」
スチルの突っ込みが響く
「昔、 私が住んでいたマンションにいたんです」
『…………へ!? 』
青葉のセリフに数人のすっとんきょうな声が重なる
今、 この冥界にいるということ
頭が外れたということ
この2つを合わせると…
「数年前でしたっけ? その娘がバラバラ死体になって発見されたんです
警察がたくさん来てました
あ、 ちなみに第一発見者は私です」
『っ!! ぎゃぁぁあぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!! 』
「……普通、 そういうのってトラウマになたりしないか? 」
淡々と説明する青葉に悲鳴を上げる神と悪魔
そして呆れたように呟いた恭助
恭助の言うとうり、 普通こういうのは深い深い心の傷になるものだ
幼心にとって“死”というのは恐ろしすぎる
そういう“傷”が成長しても“死”という概念に恐怖を抱かせる
だけど、 彼女にそんな感じはしない
「ニセモノの死は恐くはないです
ホンモノはどうかは分かりませんが」
「そういうもんかね」
「そういうもんじゃない? 」
話し合う2人
端から見れば、 非常に仲がいい
2人は幼いころから一緒にいたらしいが、 紗はいつも凰輝に虐められてきた
そのためだろうか、 彼女は人一倍凰輝に関して熟知している
凰輝への交渉も彼女が1番優れている
「あ、 ちなみに私両手両足全部外れるよ」
「分かった!! 分かったから!! 今ココで外さないで!! 」
ポコポコと手足を外す叶子にビビりながら叫ぶフィア
そんな彼女に呆れながら凰輝は先へと促した
「オラ、 サッサと行くぞ」
『は〜い』
緊張に固まっていた初心者の心を叶子が解きほぐしたようだ
気楽な返事をする神たち
「あら? お客さん? 」
『っ!! ぎゃぁぁあぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!! 』
出てきたのは異様に髪の長い半裸の女性
斑の毒々しい肌が彼女がもう冥界の住人であることを告げている
「クスクスクス。 私を無視するなんて酷いじゃない? 」
「あ、 流美華さん」
流美華と言うらしい女性は大人っぽい感じの微笑みを見せる
凰輝たちと知り合いらしいが、 今回はさすがに青葉も知らなかったようだ
「わぁ、 みんな可愛い
これは怖がらしがいがありそうね」
「か、 勘弁してください…」
「他の冥界の住人に会いたいな♪」
「クスクスクス。 じゃぁ他のみんなに教えてあげるわ
あ〜楽しみ♪」
「か、 勘弁してください〜」
雷華たちの嘆きも聞かず、 流美華は冥界の奥へとスタスタと歩いていく
………本当にこの冥界探険は飽きが来ない