其の参拾漆:彼の姉も半端ない……
彼の姉が登場します
言っとくけどこいつ凄いよ
……はい、こんにちは青葉です
ただいま、日本史の授業中です
本来クラスには30人いたのですが、今はもう17人しかいません
「…よっ!ほっ!」
「……誰だ…?」
突然聞こえた気合いの入った声
それに対し殺気をみなぎらせながら聞く重松先生
「知らん」
珍しく授業に出ている凰輝君が反応しました
その瞬間、全員が防御姿勢へ
きっと全員が全員、(凰輝のどアホ―――!!)と、思っているでしょう
「“デッドストライク”!!」
ヒュゥゥウン!
「甘いわ“斬撃正拳”」
スパン!
きりもみしながら飛んできた金属バットが、あっという間に真っ二つになりました
1本は恭助君に直撃
もう1本は窓の外へ
「いてっ!」
「いたっ!」
『………え?』
前者は恭助君、後者は………誰ですか?
それは窓の外から聞こえてきました
窓にいた面々が一斉に窓を覗き……
そして、凍りつきました
「ほっ……っと!」
ぴょん…すたっ!
窓から謎の女性が出現しました
やや長めの髪は少し脱色してはいるが茶髪
タンクトップとハーフパンツはほとんど脱色し、元の色が分からないくらいになっています
長旅をしていたらしく、服装も髪もボロボロで、リュックサックもくたびれきっています
「あ、姉貴」
「おぅ!凰輝!久し振りだな!」
『………え?』
凰輝君と女性の会話に目が点になる面々
「………あぁあぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!?琥鈴さん!?」
………琥鈴…
変わった名前ですね…
「よっ!紗!いい女になったじゃん♪」
「………」
凰輝君と、紗さんがいうには琥鈴さんは凰輝君の姉で、20歳
凰輝君並に強く、最近までアマゾンに修行に出かけていたとか
「そういえばさ〜なんで帰ってこなかったんだ?
半年前には帰ってくる予定だったろ?」
「ついでに南極にまで足をのばしてきたからさ」
『な…南極ぅうぅぅぅうぅぅぅぅうぅぅうぅぅぅう!?!?』
「ついでで南極って…」
「南極……」
一体、なにをしに行ったのでしょう……
「ん……あぁ北極熊か」
『…………?』
「結構手強かった…」
『手強かった!?闘ったのかよ!!』
「そもそもアマゾンには虎を倒しにだな…」
「あれも強かった」
「………“銃”で、ですよね?」
凰輝君と琥鈴さんの会話に女子生徒の1人が入る
「あぁ!?私がそんなモノに頼るとでも!?」
「え?いや……」
「てめぇ、私を舐めているのか!?死にたいのか!?」
「ご、ごめんなさい!!」
「“ごめんなさい”ですんだら警察いらねぇんだよ!!」
「いや、警察関係ないでしょ」
女子生徒に絡む琥鈴さんに突っ込む紗さん
「でも、凰輝といい、琥鈴といい、変わった名前だよな」
呟いたのは恭助君
それに対し、凰輝君が言い返す
「ん?あぁ、ちなみに親父は玄次お袋が龍華
実は俺たちの名前に共通点があるんだよな」
「共通点?」
尋ねてきたのは重松先生
もう授業はほったらかしですよね
「親父は玄武、お袋は青龍、姉貴が白虎、そして俺が鳳凰で朱雀、もう分かるよな?」
「四神…ですか?」
「イエス♪」
なんという偶然
それにしても作者凝りましたよね
《まぁね♪by作者》
だめ作者にしては(ボソッ)
ぐぎえぇえぇぇえぇぇぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇぇえ!!!!
「あっ!しまった!もうチャイムか!!」
『えぇえぇぇえぇぇぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇぇえ!?今のが!?』
もう、作者のネタが尽きましたか?
奇妙な声がチャイムって……
終いにはチャイムが悲鳴になるとか…
…………あり得なくはないですね
琥鈴さんは凰輝君の家に入るのでしょうか?
それが少し気になります
「まぁ、いままでいろんなモノと闘ってきたんだけど、少し疲れたし凰輝ん家でまた世話になるわ!」
「あぁ、別にいいが……4人程同居人がいるぞ?」
「同居人?」
「バカ2人とアホ1人とチビ1人」
「誰がチビですか!!」
「お前以外に誰がいる」
「バカとアホの違いって………なに?」
「軽症と重症」
『おい』
……ともかく、また“おかしな”仲間が増えました