其の弐拾捌:彼の愛用妖刀初登場!
…新キャラ(?)登場
あと、後半ややシリアスに
〔オラオラオラァ!! このメスブタがぁ!! 〕
〔あぁ! もっと! もっとぉ!! 〕
「………なに見てるんですか? 」
「SMビデオ」
『………SMビデオ? 』
「良い子は気にしちゃいけないモノさ」
「なら白昼堂々見ないでください」
………良い子の皆は気にしちゃダメです
スチルです
雷華とフィアが“? ”を浮かべてる間にビデオを止めましょう
「そういえばさ〜♪兄貴♪」
「ん? 」
「この刀ってなに? 工具入れに入っていたんだけど」
レナートが取り出したのはいかにも妖しげな刀
妖刀と例えるべきでしょうか
……というより工具入れに刀って……
「あぁ“黒龍”か忘れてたわ
元の場所に戻しといて」
「は〜い♪」
《待て待て待てぇ!! 》
『!?!? 』
突然刀から声が!?
意思を持つ剣!?
始めて見た………
「なんだよ鋸が」
《私は鋸ではない!!“妖刀黒龍”だ!!》
「分かったよ“妖刀鋸丸”が」
《鋸ではなぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁい!! 》
……なんだろう…誰かとダブる…
……気のせいですよね、 うん
「……あぁ、 コイツはのこ……妖刀黒龍だ」
「今、 鋸って言いかけませんでした……? 」
「言ってねぇが」
《言いかけただろ!? 》
「へし折られたいか………? 」
《ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい》
「DA☆MA☆RE☆」
《は、 はい……》
………妖刀相手でも容赦ないですね…
「なんで凰輝さんが“意思を持つ剣”を持っているんですか? 」
「ノリだ」
「ノリで持てるものなんですか!? 」
「すげぇ!! 」
「さすが兄貴!! 」
なんて勘違いを!?
凰輝さんも変なことを言わないでください!!
《そんなわけないだろ!!
私は西上家に代々伝わる名刀だ!!
………いや妖刀か》
「ですよね……」
「まぁ鋸でも切れ味は一級品だよ
手入れは1ヶ月に1回には確実にしているしな」
《鋸ではない》
「でもなんで黒龍は意思を持っているんですか? 」
「気合いだ」
「そんなわけないでしょうに…」
さっきから話しているのは私と凰輝さんと妖刀・黒龍の2人と1本だけ
後の面々はみんな頭に“? ”を浮かべています
《はるか昔に悪霊として都を荒らしていたのだが
西上の奴にボコボコにされた挙げ句
刀に封印されて……
それ以来、 妖刀として祟ろうとしていたのだが
西上の奴らはしぶといし…挫けないし…逞しいし…
明治という時代になってから廃刀令とやらで出番なくして…………》
………ん〜なんだろう
凄く可哀想な気がしてきました
やろうとしていることはよくないことなのに……
「まぁ俺にもあまり必要ないからこの現代で鋸としか利用法がないからなぁ……」
《酷いなオイ》
「凰輝さんは剣術強いんですか? 」
「黒龍となら鉄骨80本ぐらい楽に叩っ斬れるぞ」
『すごっ!!!! 』
《ふん、 当然だ》
「包丁でも鉄骨は9本は斬れるが」
「本当に人間かよ……」
フィアの嘆きを軽く受け流し頷く凰輝
………あれ?そういえば……
「レナートはなんで工具入れを開けたんですか? 」
「……あぁ、 なんか壁が壊れてて…」
行ってみると確かに壁に大穴が
………なんで? ここは誰も使ってはいないはず
「………感じるな」
「? なにがですか? 」
「お前らと同じ様な気配が…」
私たちと同じ……?
それってこの壁を壊したのは神や悪魔ってことですか……?
「…ついでにほら…穴に焦げた跡がある…誰かが雷か炎を当てたんだろう…」
『……………』
まさか…まさか…ね…
「……ついでに…」
『? 』
バキィ!!
「八つ当たりだ」
「ふみゅ〜」
「きゅ〜」
目を回す雷華とフィアを見つめ
私は改めて西上凰輝の怖さを悟った……
あの穴は材料調達から修理まで全て凰輝さん1人でやり、 わずか3時間半で修復しました
あの穴は半径90cmはありましたよね………
短編小説『さぁ、この広い大空に』を掲載
いつか言っていた七夕小説です
そっちも見てください
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