其の弐拾漆:彼らと共に学校生活
「ふぁぁあぁぁぁ……」
……お、 はじめまして……かな?
篠田恭助と名乗ります
「…なんですか、 その挨拶は……」
「思考読まないでください! 」
「うるせぇよサムライヤローが」
「侍を馬鹿にするな!! 」
今の日本があるのも侍のお陰なんだよ!
「…あの…恭助さん…」
「…なに? 雷華ちゃ……うぉわぁ!! 」
「なにごちゃごちゃ話してる!! 」
金属バットがキタ――!!
………え? なんで雷華ちゃんを知っているかって?
え〜と、 事の始まりは20分前………
「うーっす」
「遅刻だ西上!! “ファイナルスパイナル”!! 」
「それ直訳すると“最後の背骨”だぞ
ついでに“桜花正拳・乱”」
『凰輝が突っ込んだ!?
ついでにで必殺技!? 』
スパパパパパパ!!
吹き飛ぶバット
それは勢いよく襲いかかった
クラス全員に
バキャ! ゴシャ! ガァン! ドスッ! ゴリィ! メキャァ!
全員に命中はしなかった
哀れな6人に命中
最後の音だけはおかしかったよな?
「スパイナルって背骨って意味だったのか!? 」
『今さら知ったの!? 』
〈作者もついさっき知りました〉
作者……しっかりしてくれ………
と、 ………だ、 誰だ? こいつら…
現れたのは4人の女性たち
いずれも美人だ
2人は俺たちと同い年くらい
1人は11、 2歳くらいの少女
最後の1人は20歳前後の美女
「あ〜こいつらはだな……」
そうして彼女らについての紹介が始まった
こうして1人、 約5分。 彼女らの説明に費やした
その間重松先生は微笑みながら凰輝の紹介に耳を傾けていた
あ〜こうして笑っていると重松先生は美しいよなぁ………
…………いつもそうしていればいいのに………
〜〜回想終了〜〜
「篠田ぁ! ついでに柿田ぁ! てめえら全員死刑だおらぁ!! 」
いきなりなんだ!?
「なんで俺まで!? 」
「ノリじゃね? 」
「理不尽だぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁ!! 」
ゴキャァ!!
叫ぶ柿田に対し無情なまでに当てられる金属バット
額に受けた柿田はそのまま椅子から転げ落ちる
「…憐れな……♪」
「…実はそう思ってないでしょ…」
「あ♪分かった?」
「…顔が笑ってます…」
怖いなぁ…
もしかしてレナートって人は(人じゃないけど)ドSなのか…?
ファルス! フォルス! フェルス! ファルス!
「…っと、今日はここまでか」
『今のがチャイム!? 』
やっぱりオカシイだろこの学校!!
さっきのもはやチャイムの欠片もねぇだろ!!
「お昼だぁ〜♪」
「はいはい」
待ちに待った? 昼休みの時間
雷華とフィアが勢いよく階段をかけあがる
「凰輝さ―――ん!! 」
「早く早く!! 」
「……“衝覇正拳・双”」
ドガァ!! バキャ!!
『鬼か!! 』
「うるせぇんだよあいつら」
だからっていきなり必殺技放つな!!
思わず紗さんと突っ込み重なったぞ!!
「お弁当♪お弁当♪」
「へへーん♪いいだろ♪」
4人はどうやら凰輝に作ってもらったみたいだな
まずは雷華から……
“雷帝”(ご飯の上に海苔で雷、オカズを使って帝)
『すごっ!! 』
「苦労したぜ」
「じゃ、 じゃあアタシは…」
“爆炎”(雷華のと同じ様に)
『またすごっ!!』
どうやってやったんだ!?
しかもさっきより難易度高くねぇか!?
「私はなにかな〜♪」
“闇乃女王”(海苔で闇乃、オカズで女王)
『すげぇ!! 』
4文字いっちゃった!!
「じゃ、 じゃあわ、 私は………? 」
“鉄帝蓮華草”(海苔で鉄帝、オカズで蓮華草)
『何故に蓮華草!? 』
「なんとなくだ」
5文字かよ!!
どんどん難易度上がってるぞ!!
…………じゃあ凰輝は?
“黒翼滅龍牙・滅調”(海苔で黒翼滅龍牙、オカズで・滅調)
『すげぇえぇぇえぇぇぇえぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇぇ!! 』
「もうこれ芸術じゃん!! 」
紗さんの突っ込みで俺の頭に“弁当アート”なるものが浮かんだ
弁当に彩られた様々な文字………
……なに考えてるんだ…俺……
……あれ?
「…なんか忘れてるような……」
「私も……なんだろ? 」
「…思い出せない…」
「まぁいいんじゃね? 忘れたってことは大したことじゃなかったってことだろ」
………んーそうだな
まぁ気にしないでおこう
美女たちに囲まれてでの食事なんてそう滅多にないことだし
〜〜一方その頃〜〜
「…うぅ……」
みんなから忘れられた影薄こと柿田
寂しく夏の風が彼の頬を撫でていった………