其の弐拾陸:神も虫歯になっちゃった
最後にちょっとしたお知らせが
いや、ちょっとじゃないかも……
まぁいいや、ちょっとで(オイ)
「…歯が痛い……」
雷華ちゃんどうしのかな? かな?
あ、 ちゃお☆レナートだよん
今日は兄貴(凰輝)が『暇潰しになんか創って売ってくる』って行ったっきりかれこれ6時間
正直暇だなぁ……
で、 さっきから雷華ちゃんが呻いているの
なんで?
「…もしかして雷華さぁ…虫歯じゃない!? 」
「……虫歯? 」
「虫歯は口内の細菌が歯に付着した糖分を酸に変化させ、 歯を溶かすことです
歯の溶け具合、 虫歯の進行具合によってC1、 C2、 C3などと呼ばれ、 最後のC5になると歯が殆ど壊死(体の組織の一部が死ぬこと)し、 抜か なければいけなくなるんです
だから、雷華歯医者に行きましょう」
「え? え? は、はい…」
……なに言っているの、 スチル…?
訳わからん
雷華もつられてるし……
「ただいま」
「兄貴ぃ!! おかえりぃ♪」
「レナートただいまぁ♪」
ベッチ――――ン!!!!
「キャウッ!! 」
グリィ!!
「はぅん!! 」
あぁ……兄貴だ…
この容赦しない踏みっぷりは間違いなく兄貴だ…
「……レナートってMなんですか……? 」
「違うよ? 多分」
『多分!? 』
多分、
なにか文句でも?
「凰輝ーなに創ってたんだ? 」
「木彫りの不動明王」
『すごっ!! 』
凄いのか?
私だってその気になれば……
「2500万で売れたぜ」
『たかっ!! 』
「流石兄貴
私は15両位しか売れなかったよ」
『えぇぇえぇぇぇえぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇぇえぇぇえぇぇぇえぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇぇ!?!? 』
何驚いてるの?
訳分かんないなぁ
「で、 雷華は何頬を押さえてるんだ? 」
「凰輝さん…私、 虫歯みたいなんです…」
「へー……で? 」
「………“で”? 」
「いや……俺、虫歯に限らず病気にかかったことないから……」
「私もー♪」
わ〜い♪
兄貴と同じだ〜♪
「ヤッホー
あれ? 雷華ちゃん虫歯? 」
「はい……」
紗って人が来ました
紗がなにか悩んでいます
「どうしたの〜♪」
「…いいよね…貴女はお気楽で…」
「はい♪」
「否定しろよ」
気性ですから♪
「…虫歯の治療って…歯を削るんだよ…」
「…痛いんですか…? 」
「めちゃくちゃ痛い」
「…わぁ…」
怖い♪怖い♪
「……やっぱり歯医者に行くのを止「お前に拒否権なし」………はい」
あはは〜♪
かわいそう〜♪
「…変わってください…」
「I☆YA☆DA☆」
「レナートなに言ってるの!? 」
あはは〜♪
なんだと思う〜♪
〜〜wait a minute〜〜
ギュイィィイィィィィイィィィイィィィィィィン!!
「うわぁあぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁん!! 」
「はい頑張ったね」
「ヒック……ヒック……もうやだ……」
子供が泣きながら出てきた
目には大粒の涙が
「こ、 怖い……」
「諦めろ
虫歯になったお前が悪い」
「……か、 帰って「言っとくけど逃げ出したら〈ピ―――♪〉だから♪」頑張ります……」
「悲惨だね♪」
「なんで楽しそうなんですか……」
「他人の不幸ほど楽しいものはないんだよ♪」
司会はまだまだ私、 レナートがお送りします♪
「はい、 次の西上雷華様〜」
「え? は、 はい! 」
受付のおばさんに呼ばれ思わず立ち上がる雷華
西上って名字は兄貴が『めんどくさいから西上でいいんじゃね? 』で決めました
で
ギュイィィイィィィィイィィィイィィィィィィン!!
「ひぎゃぁあぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁ!! 」
ただいま雷華ちゃん歯の治療中〜♪
「いい悲鳴だなぁ……」
「いい悲鳴かぁ…」
あ、 雷華ちゃん出てきた
「フェッ…フェッ…もうやだぁ……」
「お疲れ、 雷華
後でシュークリームかなんか買ってやるよ」
「わぁ〜い♪」
「わぁ〜い♪」
「レナートには買ってやんねぇよ」
「えぇぇえぇぇぇえぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇぇん!
酷いよぉ!! 」
「HAHAHA♪いい悲鳴だ♪」
うぅ………
「わがままですね……」
実は、私、針井龍郎先生主催の七夕小説企画『星に願いを』に参加しました
一応、短編で
ファンタジー+コメディ風味に作っている途中です(途中かい)
7月1日から7月7日までに投稿するのでよろしくおねがいします