表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
理想のペットライフ  作者: ミイナ
7/44

番外編 クリエの日記

クリエの日記より

○月○日


私が生まれたのは、 緑が太陽に照らされ 幻想へと誘う。 エルフの森にある普通の家だった。

普通の家の平凡な両親。

私は生まれて30年目には理解した。

まるで宝石のように輝く金色の髪、愛くるしい顔立ち。

周りのエルフの大人達の過剰な反応。


そう私は普通の家に密かに預けられた姫であると。





○月○日


両親は決して教えてはくれない。

きっと本当の私の家族は、まだ命を狙われている。

50年目、幼かった私にはまだ外に出る許可が降りない。

ならば姫として皆を導く物をてにいれよう。


○月○日


遂に私にも外に出る許可がエルフの長老より降りた。

100年目に許可が降りるのは珍しいらしい。

身長や胸はあまり成長しなかったが、エルフとはそういう種族らしい。

姫である私の勉学と 戦闘技術が同年代のエルフより優れているのは当然。



○月○日


この日記も遂に7000冊を超えた。

私の成長記録を本当の両親に読ませたい。


○月○日


今日は悲しい事が起きた。

私の日記がお母さんに見つかって捨てられてしまった。


部屋いっぱいの私の聖典が燃やされてしまった。

そこまでして隠さなければいけない私の罪に涙がでちゃう。


○月○日


遂に私は自由の翼を羽ばたかせ、本当の両親の待つ光り輝く世界へと舞い降りる。

遥か西にある帝国の使者が私を迎えに来た、長老は若い者に 人族の社会で学ぶようにと言って私の他にも選ばれた子がいたけど。

囮って必要よね。

姫が帰るんだもの、危険は無い方がいいに決まってる。

選ばれた子には気の毒だけど私の為にその命、捧げてね。


○月○日


初めて見た人の街。

初めて見た人の群れ。


初めて見た海。


初めて知った。私の運命。


私が生を受けて114年。

私が向かう帝国の王は人族だという。 私の本当の両親は負けたのだ。

人族の国にエルフの国一番の美姫の私が人質として差し出されたのは当然だったのかもしれない。



ならば私は亡き両親の為、見事に役目を果たしましょう。○月○日


私の目の前に年老いた帝国の王がいる。

優しい目をした王だ。

きっと私の魅力に目を奪われたのだろう。

その王が王子を紹介した。私の行く場所を教えるらしい。


いやらしい目をした若い男だった。私の全身を眺め笑みを浮かべている。

私は初めて身の危険を感じた。


○月○日


王子は私にこの帝国の西にある港街ターナに行けという。

帝国最大の貿易の港街で人口500万人。 訪れる人を合わせると600万人になるらしい。

帝国の首都の次に大きな街らしい。

いやらしい王子は冒険者ギルドに話してあるので、そこで学びなさいと言う。

人質である私に自由を与える?

私は理解した。もう姫では無い私は 帝国の犬として、この体と愛らしい顔で仕事をさせられるのだと。

○月○日


帝国の首都を出発して1ヶ月。

山ばかりの土地で、未だにターナに着かない。

でも久しぶりの森に心が癒やされる。

○月○日


帝国の首都を出て2ヶ月、 幾つもの町や村を通り、港街ターナに到着した。

一つの村や町に最低2日、長くて5日も泊まり、いろいろと連れて行かれ見世物にされた。

只、食事や泊まった 部屋は豪華だったのが救いだ。

○月○日


冒険者ギルド。

迷宮遺跡に潜る人が集まる場所らしく、このギルドのトップの赤髪の おじさんが私を出迎えた。

今日から私が生きる為の仕事が始まる。


○月○日


私の115歳の誕生日を親父さんが祝ってくれるらしいので彼の家に呼ばれた。

ギルドの皆がギルド長を親父さんと呼んでいるので、私も呼ぶことにした。

親父さんには一人娘 がいて同じ色の髪の 13歳。

まだ子供だが胸が私よりも大きいのにショックを受けた。

もう一人、彼女の親友で私には劣るが綺麗な金髪の少女。

同い年で二人とも冒険者をしているらしい。

ちなみに胸は私と同じくらいと見た。

彼女とは仲良くしたい。


○月○日


親父さんの娘エリーナと彼女の親友のミリーに冒険者について聞いてみた。

まだ駆け出しの癖に 色々と知っていて役に立つ。


この二人を私の為にどう使うか…………


○月○日


今日は二人に武器屋に連れて行かれた。


迷宮遺跡の初めて行った階層で新しい技カード?を手にいれたので武器を新調するのだと。

私には弓が有るしと思い眺めていると、 蛇牛の鞭スロット3と書かれているプレートを見つけた。

何故か心を惹かれたので値札を見ると

金貨10枚。

私の1ヶ月分の給金と同じ値段だったので、今日は諦めた。

二人は前から目をつけていた武器を買い、 笑顔だったのが何故か眩しかった。

武器に書かれていたスロットを聞いてみた。

武器や防具には迷宮遺跡にいる魔物を倒すと、たまに落とす技カードや防カードなど様々な効果のあるカードを残すのだとか

それをスロットがついている武器にはめると技が使えるようになるんだそうだ。

どの国の鍛冶屋でも スロット5が最高で ごく稀にスロット6や7ができるらしいのだが、同じように製造しても二度とできないらしく5以上は国宝として国に買い取られる。

私の魅力で献上させようと、鍛冶屋に通うのを日課とした。


○月○日


私が124歳になった時に親父さんが亡くなった。


既に牛胸になっているエリーナは敵。

ミリーとは今も仲良くしている。ギルドの次の長を決めるのにひと悶着あったが、親父さんを慕う人達がエリーナが迷宮遺跡を制覇するのを期待して空席とした。

まぁ私も手を貸してあげて、半年後にはエリーナがその座に着いたけどね。

○月○日


最近エリーナがやたらと私に絡んでくる。

鬱陶しので相手にしないでいるとあの胸に窒息させられそうになり、ミリーと相談してモグ技カードを見つけようと誓った。


○月○日


エリーナのギルド長としての最初の仕事が決まった。

17歳の男の子が迷宮遺跡を制覇してここに来るらしい。


遠くから観察したが 二人の少女にもて遊ばれている頼りない 子っていう印象だったが、5回も制覇し た彼を見て私の王子さまに決めた。


○月○日


私も128歳。

エリーナ達も26歳になり、私の裏の仕事もかなりの量の報告書が溜まったが帝国より使いが来ない。

私を何時まで監視しているのか疑問の日々が続く。


○月○日


1週間前辺りからエリーナとミリーの様子がおかしい。

冒険者にアンケート用紙を配ったり、 二人でコソコソと密談しているのを見かける。

アンケート用紙には 私の王子様の事を知りたいらしく、意味不明な質問項目もあった。



○月○日


明日、王子さまがギルドに来るらしい。

私の掴んだ情報だと エリーナの結婚相手に選ばれたらしく、 色々と調べていたようだ。

絶対に阻止!


王子さまが牛胸の魅力に騙される前に私の魅力で虜にしなければ。


でも一つだけ不安がある。

私の言葉使いが変で可愛いと言われている事。

人族の言葉使いにエルフの至宝と言われた私が苦しめられるとは…………。



明日は先手必勝!

王子様のハートを撃ち抜くのよクリエ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ