↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
理想のペットライフ  作者: ミイナ
15/44

悪党退治は致しません

今まで意識が無かった少女。レヴィは緊張感が解けたのか、お腹の辺りから

キュル~と可愛い音が聞こえ、真っ赤になったレヴィの意図をくんだネイドが緋波にご飯の用意を頼む。

深夜を回った時間なので、買い出しに行け無かったので緋波は台所にある物で作り始める。

その間にネイドはレヴィにこれまでの事とこれからの事を話す。


「レヴィ。君は住んでいた場所からこの街に誘拐されてきた、それは解る?」


「うん」


「レヴィの住んでいた場所は?」


「解らないです。とてもとても高い場所。そこに住んでた」


「そんな場所からどうやって連れさられたの?」


「お父さんと町に買い物に行った。

お父さんとはぐれて探してた時に親切なおばさんが私の手を引いて一緒に探してくれたの。でも突然目が見えなくなって…………」


「そこから思い出せないのかい?じゃあ思いだせるのは?」


「う~と。何処かに家の中。

とても暗くて、体が動かなかった」

レヴィの事を聞き、父親がいて町に降りる事がある。

それなら探すのは町の方かとネイドは考える。

情報は少ないがドナ親方も気にしているなら情報が有るかも知れないと思い、レヴィにこれからの事を話す。


「ネイド様。レヴィの食事の用意ができました」


緋波の呼びかけにネイドは答える。


「有り難う。緋波さん、ベットに持ってきてくれるかい」


「はい。お任せを」


「先に食事にしようか。きっと気に入ると思うよ」

緋波は料理をレヴィの前に並べる。

ジーッと料理を見ていたレヴィは一度、食べてもいいの?とネイドの顔を見るといいよと言われたので料理を口に入れる。

パンにスープ。

厚切りベーコンを野菜で巻いた物など、 レヴィは夢中で料理を口に詰め込んだ。

ネイドに慌てないでゆっくり食べてと言われ、恥ずかしいそうにしながらも夢中で食べ続けた。


大人の量で3人前を苦もなく食べきりレヴィは大満足だったようだ。

その様子を見て、ネイドは話しの続きを始める。


「レヴィ、君は竜人族だよね?村の掟は知っている?」

その言葉にレヴィの顔が曇る。


「はい。村では力を持たぬ者は追放と長老は言ってた」


「そう。レヴィは村に帰りたい?」


その一言で押し黙るレヴィ。

ネイドはドナ親方の言葉が真実だと思い知る。


「帰りたい。けど、帰れないです。

お父さんと離れた私は一人前だと村の皆に示さなければならないから」


哀しい声で語るレヴィに、ネイドはドナ親方の依頼を果たす 時を感じた。


「なら、一緒に来るかい?レヴィの村に帰る手伝いをしてあげる」


「手伝い?」


「そう。闘う力と生き残る知恵を、教えてあげられるよ。

それに村に帰る為の手段もね」


「ほんと?」


ネイドは強く頷いて レヴィを真っ直ぐに見つめる。

数分後、レヴィは瞳に力を宿らせネイドにお願いしますと頭をさげた。


話し終えたネイドはレヴィに夜も遅いから、おやすみとレヴィを寝かせる。

安心したように寝つくレヴィを見て、ネイドは緋波達のいるテーブルに向かう。

「主様よ、あの娘を仲間に入れるのは良いが、大丈夫かのぅ」


「ウズメじゃ不安。私に任せて」


「張り切っているがの緋波よ、お主の闘い方は人を教えるのに向かん。

主様に任すが良いわ」


ウズメの言うことも的を得ている為に緋波は何も言い返せず黙りこむ。


「緋波さんは闘い方じゃなく知識を教えて、料理とか薬草とか、緋波さん得意でしょ」


「はい。ネイド様それでしたらお任せ下さい」


緋波の機嫌が直ったの見て、ネイドは話しに入って来ないロナを見る。


「ロナさん。先程から黙っていますが考え中ですか?頼みたい事があるのですが」

ネイドに問われ顔を上げる。

名前で呼ばれたのも気づいていない様子に、ロナを心配そうに見つめる一同。


「ウサ耳よ。主様が頼み事があると言うのじゃが聞いてくれんかの」


「へっ。あっはい。 何でしょう」


もう、名前よりウサ耳かとネイドは思った。

とにかくロナの意識が自分に向いている内に頼み事をする。


「ウサ耳さん、ドナ親方にレヴィの事と依頼を受けたと報告をお願いします」



「えっ!分かりました。私からでいいんですか?ネイドさんが受けたのに」


「構いません。ウサ耳さんもドナ親方に報告するでしょ? その時にでも一緒に報告をしてくれればいいです」


「ほう。ウサ耳の依頼主はあの親方か。

主様はレヴィを引き取るよう言われたのじゃな」


「レヴィが嫌がれば依頼を断ったけどね」


「ネイド様は、どうするのです?」


「緋波よハッキリと言ったらどうじゃ。

あの者達を生かすのかと」


「緋波さんの考えも分かるけど、レヴィしだいかな。

レヴィが許すなら何もしないよ」


「ほう。主様は厄介事は早めに詰む、と思ってたのじゃが当てがハズレたのぅ緋波よ」


「私はどっちでもいい。ネイド様に着いていくだけ」


「ふむ、確かにの。

だが主様よ奴等が諦めるとは思えんがの」


「そうだね。是非とも来て欲しいね。

レヴィはこれから戦闘経験を積まないといけないから。

外だとたまには出る山賊か野生の猛獣くらいしかいないから、適当な敵は歓迎だよね」


「黒いのぅ、主様よ」


「うん。真っ黒」


ネイドの考えを聞いていた3人の内、2人は笑みを浮かべ、後の1人は何も言えず震えるだけだった。


これからの事も決まり、ようやく長かった1日が終わった。


繁華街は早朝でも開く店もあり、ネイドは1人で食材を買うためにロナに聞いた店を探していた。そのロナはネイド達が寝る前に別れた、敵に捕らわれた仲間を救出する為に繁華街の別の隠れ家に行っている。


ネイドに手紙を渡しに来た時、所属してるギルドに仲間の救出を要求しに行き繁華街の別の隠れ家に集まっているらしい。


ネイドは教えられた店で食材を買い、隠れ家に戻る。

注意深く繁華街の様子を見るとレヴィを探しているギルドの人間を見かけない。

ロナのギルドが動いているのかと考えるが、自分はレヴィ次第なので目の前の事をまず片付ける事にする。


隠れ家にネイドが戻ると緋波とウズメは起きていてネイドを出迎えた。

ネイドから食材を受け取り朝食の準備を始める緋波に量を多めにと注文しウズメとテーブルに付く。

「主様よ、今日はどうするのじゃ?」


「レヴィにどうするか決めてもらうよ」


「ほう。どうなる事やらじゃな」


緋波の作る料理の匂いに釣られてレヴィがベットから起きてネイド達の居るテーブルに来る。


「おはようです。お腹空きました」


「おはよう。レヴィ、座って待ってれば緋波さんが朝食を持ってきてくれるよ」


深夜に話しをした時とは違い、レヴィは表情が豊かな子だった。

今もウズメと楽しそうに会話しているので人見知りの心配も無いようだ。


「レヴィ、食事前に確認したい事があるんだけどいいかな」


ネイドの真剣な表情にウズメとの会話を止めてネイドに向き直る。


「レヴィの思いを聞きたい。

この繁華街にレヴィを誘拐した人達がいる。

それを知ってレヴィはどうしたい?」


「????!。

どうとは、誘拐した人に復讐を望むかでしょうか?」


「うん。レヴィの意思を知りたくてね。

で、どうなんだろう」


「別に復讐とか考えてないです。

人は直ぐに寿命がくるから、力なく捕まった私が悪いのです。

ですから、助けてもらった今、興味はありません」


「ふむ。流石に竜人族かの、ならばレヴィは何が出来る?」


「…………私はまだ戦い方をお父さんから教えられていません。

私はお母さんが人間です。ですから竜に変身もできないので、魔法を使うしかできないです」


「ふ~ん魔法かの、では魔法使いにするかの主様よ」


「そうだね、自分達には後衛が居ないからレヴィに任せようか?」


レヴィの話しを聞き、犯罪ギルドを潰すのは無しになり、ネイド達はレヴィの役割について話し会う。

そこにレヴィが手を上げて発言を求める。


「あの~、私は憧れている人がいて。

その人の様になりたいです」


「ほう。レヴィの憧れの人物とな、どういう人なのじゃ」


「はい!彼は白い馬に乗り、ドラゴンにも恐れず立ち向かう騎士です。

ですから、私も騎士を目指します」


瞳をキラキラとさせ、レヴィが力強く宣言をする。

その様子を2人は呆然とながめる。



「無理よ。レヴィは竜人族。逆に狩られるわ」


緋波がテーブルに料理を運ぶがてら、レヴィの夢を打ち砕く。


「無理ですか。

やはり寿命が…………」


緋波の言葉に落ち込むレヴィをどうしようかと悩むネイド。

そこのウズメがレヴィに火を付ける。


「ガッカリをする必要はないぞ、竜人族が国をもてばレヴィも騎士になれるでわないか」


ハッ!と顔を上げるレヴィ。

ネイドはレヴィに試しに魔法戦士はどうかと持ち掛ける。


「魔法戦士ですか、お兄さんが薦めるならそれで」


「レヴィは何故?騎士なのじゃ」


「お母さんが、よく竜退治のお話しをしてくれたの」


何か聞いてはいけない大人の事情があるのでわ…………

ネイド達は美味しそうに食事をするレヴィを見ながら深く考えるのはよそうとの結論を胸にしまった。


出発は明日。

それまでにレヴィの装備に冒険者登録、それに身の回りの品物など色々と必要になる為にネイドはさっさと繁華街を出ることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。