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92.ちょっと妬かれちゃった

 雨が降ってきた。

 予報では午後から降ると言っていたのだ。

 だが、小学4年生のメグはカサを持たずに登校してしまっていた。

「まいったな、どうしよう」

 昇降口から出られずにいると、声をかけてきた男子が居た。

 同級生で隣の席のヒロシだ。

「メグ、どうしたんだよ?」

「あ、志武君。カサ忘れちゃって」

「ふーん、これに入ってく?」

 ヒロシは自分のカサをメグに寄こした。

 え? 入ってく?って…… まさか、相合ガサ? ダメだよ、そんな、みんなから冷やかされちゃう――

 メグの頭を妄想が駆け巡った。

「んじゃ」

 え? んじゃって……

 ヒロシはカサをメグに預けると、さぁーっと雨の中に走っていった。

 え? この雨の中、濡れて帰るの? 一緒に入って行けばいいのに……

 メグは思ったが――

 ヒロシは、別の女子のカサにサッと入った。

 え? 誰よ、あの女子――!

「姉ちゃん、入れてーー」

「あ、ヒロシ。自分のカサは?」

「クラスの子に貸した」

「しょうがないわね」

 ヒロシが入ったのは、姉のミドリ(小5)のカサだった。

 相合ガサで帰っていく志武師弟を見て、ちょっとやきもちを妬いてしまうメグであった。

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