72.二人で動物にへんし~ん
ダイゴ(年少)のクラスに続き、ツヨシ(大2)はチャコ(年中)のクラスの参観に行った。
まずは、園児たちの歌とダンス。
姉のモモコ(小2)と一緒で、チャコも音楽に合わせて体を動かすのが大好きだ。
先日から覆面ネットチャイドル“志武じゃんぷ”になったチャコは、そのアイドルネームの通り、いきいき飛び跳ねて踊っていた。
ツヨシも、そんなチャコの様子を目を細めて見ていた。
次にリトミック。
音楽に合わせ、子どもと保護者でペアになって教室内を歩き、音楽が止まったら2人で動物に変身するのだ。
キリンは肩車、ゾウは首から子どもがぶら下がり、カメは四つんばいの背中に子どもが乗る。
子どもたちはみな大喜びでやっていた。
もちろんチャコも。
子どもと保護者のペアをくずし、ばらばらに動いて、違う子どもと保護者同士でペアを作るというのもやった。
この時はツヨシが大人気で、園児たち(特に女の子!)が肩車してもらおうと群がって大混雑であった。
その夜。
ツヨシ、チャコ、ダイゴで入浴中。
「ダイゴ、粘土は好きか?」
「うん、大好き。僕、得意だもん」
「そ……、そうだよな(汗)。チャコはリトミック楽しかったか?」
「うん! ツヨシ兄ちゃん、女の子にもてもてだったね」
「ははは、それほどでもないよ」
「兄ちゃんまた、おんぶや肩車してね」
「おう、いいぞ」
チャコに言われてツヨシは思った。
11人の弟妹たちと、まだまだスキンシップが足りないのかもしれない。
チャコは当然だろうが、アカネ(高2)やアオイ(大1)まで、いまだに甘えてくるのだ。
明日から弟妹たちにもっとスキンシップしまくろうと決意するツヨシであった。




