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69.お姫様抱っこして

 アカネ(高2)が足をくじいてしまった。

 ツヨシ(大2)がアカネをおぶって車に乗せた。

 病院までの車中。

「足くじいてちょっと良かったかも」

「なんで?」

「兄さんにおんぶしてもらえたから」

「おんぶ?」

「こないだタダシが具合悪くなって小学校からおんぶして帰ってきたの。タダシをおんぶしながら、小さい頃、自分が兄さんにおんぶされたこと思い出したんだよね」

「そうか」

「いつかあったよね。兄さんにおぶられて帰ったこと」

「そうだったな」

「あれ、どうしてだっけ?」

「忘れたのか。アオイと3人で遊んでいた時、アカネが迷子になったんだよ。アオイはアカネが先に帰っていないか様子を見に家に戻って、俺は辺りを探していたんだ。直ぐ見つかったから良かったんだけどな」

「だからか。なんか泣きながらおぶられていた覚えがあるんだよね」

「アカネは直ぐどっか行っちゃうから、アオイとよく捜したよ」

「そうだったの? 今こんなにおしとやかなのに」

「自分で言うか。――おんぶしてほしかったら言えよ」

「はずかしいよ。みんないるし」

「じゃあ、いない時」

「姉さんみたいに? 姉さんこっそり兄さんに甘えているもんね」

「まあな」

「じゃあ今度そうしようかな」

 車が病院に着いた。

「よし、おんぶするぞ」

「希望言っていい?」

「なんだ?」

「あのね……、お姫様抱っこがいい」

「いきなり甘えてきたな。分かった、分かった」

 ツヨシは要望に応え、アカネをお姫様抱っこして病院に入った。

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