65.推参! カメンダーレディ
アカネ(高2)演じるカメンダーレディは、段上から飛び降りると、子どもたちを取り囲んでいる戦闘員たちに飛び掛った。
そして、ハヤト(高1)を含む戦闘員たちをあっという間になぎ倒すと、怪人に抱きかかえられていたダイゴ(年少)を奪い取った。
「お姉ちゃん?」
「そうよ」
カメンダーレディはダイゴに小声で答えると、
「さ、みんな」
と、ダイゴを抱いたまま、他の子どもたちをステージの下まで誘導した。
ステージ上は、カメンダーマスク、カメンダーレディ、そして2体の怪人たちとなった。
そこで、2対2のアクションバトルが繰り広げられ、見事カメンダーチームの勝利で、ヒーローショーは幕を降ろしたのであった。
その夜。
アカネ(高2)、ハヤト(高1)、ダイゴ(年少)の3人で入浴していた。
「どうしてお姉ちゃんがカメンダーレディになったの?」
「本当は、専門の女の人が入る事になってたんだけど、その人が急に出られなくなっちゃったって事で……。私に回ってきたわけ。だってあれは口元が出てるから男の人はできないもんね」
「いいよな姉さんは。俺も戦闘員じゃなくてカメンダーマスクがやりたかったぜ。でなきゃせめて怪人とか」
「へへー、いいでしょ」
「いいなあ、僕もカメンダーマスク着てみたい」
「ダイゴには、ひめっこオハナの衣装があるじゃない」
「もー、それは言わないでよ」
3人は笑った。




