表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

59/340

58.おそわれたらどうするの

 ハヤト(高1)は、ときどき夜、ランニングをしている。

 体を鍛えるためだ。

 今は特に部活に入っていないが、小学校ではミニバスケットボールを、中学校ではサッカーをやっていた。

 高校の今は、時々あちこち運動部から声がかかり、人数の足りない部の助っ人をしたりしている。

 ハヤトがランニングに出る時は、キイロ(中2)もついてくる。

 キイロはテニス部だ。

 女子中学生が1人で夜ランニングしていたらちょっと物騒だが、男子高校生のハヤトが一緒なら心強い。

「キイロ、今夜はどうすんだー? そろそろ行くぞーー」

「あん、待ってー、今着替えてるから」

「早くしないと置いてくぞ」

「いじわる。かわいい妹が不審者におそわれたらどうするの」

「分かった、早くしろ」

 いつもこのようなやりとりをして30分ぐらい出かけていく。

 女子中学生ながら、男子高校生のハヤトのペースに負けずについてくるのだから、キイロも結構な体力の持ち主だ。

 ランニングが終わった後は、一緒に汗を流す。

 今日は、ハヤトとキイロが入っている浴室にミドリ(小5)も入ってきた。

「ねえねえ、明日から私も夜のランニングいっしょに行っていい?」

 ミドリが兄姉に聞いた。

 ミドリもまた、小学校でミニバスケットボールをやっている。

 ミドリも兄姉にならって体力づくりに励みたいのだ。


 翌晩。

 ハヤト、キイロに続いて、ミドリも夜のランニングに出発した。

 しかし、さすがに女子小学生が中高生のペースについていくのはきつい。

「あん、待ってー」

 ミドリが後ろから言った。

「早くしないと置いてくぞ」

 ハヤトに言われて返したミドリの言葉が、

「いじわる。かわいい妹が不審者におそわれたらどうするの」

 やっぱり姉妹、同じこと言うんだなーと思いながら、ペースを落としてやるハヤトとキイロであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ