表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/340

52.つかまえちゃうよ

「なんか、むかし、あるきめですっていう人が、お風呂でいい考えを思いついて、そのまま外に飛び出したっていう話を聞いたけど、はずかしくなかったのかな?」

 お湯に浸かっている時、モモコ(小2)が言った。

「あ、それ僕もなんか聞いたことある。でも、いくらなんでも、何も着ないで外に飛び出すなんて、信じられないよな。あんがい、作り話なんじゃないの」

 モモコの言葉を受けてヒロシ(小4)が言う。

「ま、作り話かどうかは置いといて」

 体を洗い終えたツヨシ(大2)が湯の中に入ってきた。

 兄弟姉妹の中でいちばん体の大きいツヨシと一緒に湯に浸かるとぎゅうぎゅうだ。

 湯の中で、ヒロシとモモコを、それぞれ両の脚に座らせるように抱いて、ツヨシが話を始めた。

「アルキメデスのいた時代は、服を着て風呂に入っていたらしいのさ。だから、風呂に入っていた状態から直ぐ外に飛び出したとしても、大丈夫だったんだな」

「へー、そうなんだ」

「今だったら、何も着ていないからつかまっちゃうよね」

 ヒロシとモモコが感心する。

「ははは、確かにそうだな。だから、2人も、風呂から出たら直ぐに服着ろよ」

と、ツヨシが言うが、モモコとヒロシは、

「大丈夫だもん」

「うちの中だからつかまらないし」

 浴室の扉が開いた。

「あら、そんなことないわよ。私たちがつかまえちゃうから」

「ほら、拭いてあげるから出てらっしゃい」

 アオイ(大1)とアカネ(高2)であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ