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4.いたくしないで
入浴4組目は、ハヤト(高1)、キイロ(中2)、チャコ(年中)。
「チャコ、頭洗ってやるぞ」
「えー、だってお兄ちゃん痛いんだもん」
「そんな事ないだろ、ほら、耳ふさいで」
「うー」
ごしごしごし。
「どうだ? 大丈夫だろ」
「やっぱり、ちょっと痛いーー」
「兄さん、私がかわる」
ハヤトは、お湯に浸かってたキイロと交代した。
「ほら、チャコ。あおむけに姉さんのひざに寝な」
「うん」
「ほら、こうやれば、目に泡も入らないし、平気でしょ」
キイロは優しくチャコの髪を洗ってやった。
「うん、だいじょうぶーー」
「美容院みたいでしょ」
「ふーん、うまいもんだなー」
ハヤトがキイロを見て感心する。
チャコがお湯に入った。
ハヤトが出た。
「キイロ、ちょっと俺にも頼む」
ハヤトはチャコの真似をした。
「兄さん、重いしーー」