44.お風呂上がりのごっくん
「のどかわいたー」
入浴を終えたアオイ(大1)とハヤト(高1)とミドリ(小5)が脱衣所からリビングにやって来た。
「ちゃんと拭いたのか? 何か着て来いよ」
リビングで新聞を読んでいたツヨシが3人に言った。
「拭いた、拭いた。のどかわいちゃって」
ハヤトが冷蔵庫を開ける。
「はい、姉さんにはウーロン茶。
ミドリは牛乳。俺は青汁と――」
ハヤトは姉と妹にそれぞれ飲み物を渡し、自分のも取った。
兄弟たちが風呂上がりにどんな物を飲むか。
好みはそれぞれで、買い置きがあるかないかでも違ってくるが、たとえば今宵は――、
ツヨシはアイスコーヒー。
アオイはウーロン茶。
アカネはアイスティー。
ハヤトは青汁。
キイロはトマトジュース。
コウジは緑茶。
ミドリは牛乳。
ヒロシはグレープジュース。
モモコは桃ジュース。
タダシはアップルジュース。
チャコはオレンジジュース。
ダイゴは発酵乳。
――というように、みんな好みが異なるのだ。
「あー、おいしい」
アオイとハヤトとミドリ、3人とも左手を腰にやって右手で飲み物を持ち、グッと一気に飲むという定番のポーズで、おのおのの飲み物を飲み終えた。
「風呂に入ると汗が流れて体の水分が失われるからな。水分補給は大切だ。飲み物を美味しく感じるのは、体が水分を欲しがっているからさ」
ツヨシが言った。
「兄さん、詳しいね」
アオイが、さすが~~という眼差しで兄を見る。
「マンガ描く上で、いろいろ雑学知っていると役に立つからな。――それより3人ともいつまでそうしている気だ。さっさと何か着ろ!」