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338.バースデーバトル4

 石森ミカエルの自宅では、10人ほどのクラスメイトを招いて、ミカエルの誕生パーティーが開かれた。

「ミナサン、よーこそ。今日は楽しんでいってクダサイね」

 ミカエルの母メリージェンが、クラスメイトたちをもてなす。

 ミカエルは、父親が日本人、母親がアメリカ人なのである。

『へえーー、あれがミカエル君の母さんかーー』

『あ、ケーキおいしそう』

『ねえね、チェリーブロッサムのケーキ、僕たちにもちゃんと分けてよ』

 ミドリの頭の中に、兄コウジ(中1)、姉キイロ(中2)、弟タダシ(小1)」の声がした。

「分かってます!」

 ミドリの発した声に、何事かとクラスメイトたちの視線が集まる。

「あ……、いや、ごめん、何でもない」

 ミドリは笑ってごまかした。

『ミドリ、駄目じゃん。ちゃんと頭の中の通信機使わなきゃ』

『そうそう、声を出さないで、頭の中で考えるんだぞ』

『ねえね、がんばって』

 再び、頭の中に、キイロ、コウジ、タダシの声がする。

『分かったから、3人は少し黙ってて。友達と実際に声出して会話しながら、3人と心の中で会話も同時にするのって難しいんだから』

 今度はミドリも頭の中の通信機を使い、キイロ、コウジ、タダシに返答した。

 彼ら兄弟全員、先日ファイタスが持ってきた小型通信機を頭部に埋め込んだのである。

 チャコの融合能力を使い、左耳のこめかみ深さ数cmの所にセットした。

 これで兄弟姉妹12人、いつでも意思疎通を行う事ができる。

 ちなみにキイロ、コウジ、タダシがいるのはミドリの髪の毛の中である。

 ダイゴの変形変倍能力で小さくなり、ミドリの髪の毛の中に隠れてミカエルの誕生会に同行してきたのだ。

 ガイチュラとの戦いになった場合、ミドリをサポートするためである。

「なんか俺たち、妖怪アニメのキャラクターになった感じだな。髪の毛の中にお父さんが隠れているやつあったじゃん」

「ミドリの髪型がポンパドールだから、隠れやすいよね」

 キイロがコウジに言ったポンパドールとは、髪をまとめて頭の上にふくらみをもたせた髪型である。

 身長数cmとなったキイロ、コウジ、タダシの3人は、このふくらみの中に隠れているのだ。

「あ、ジュンちゃんがいるよ。来てたんだね」

 タダシが指差した先に、パン・洋菓子店チェリーブロッサムの娘、佐倉ジュンが居た。

 ミカエルは、ジュンの事も呼んだのだ。

 ケーキの事でいろいろ言われているにもかかわらず、ジュンにも声をかけたミカエルの事を、ミドリは優しいと思った。

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