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328.ボンバーマスク10

 クラッシュドラゴンは、その全身を現すと、両手両足をマットについた。

 クラッシュドラゴンの体が膨れた。

 マスクやコスチュームが破れた。

 両手両足には節ができ、節足動物の脚のようになった。

 さらに両脇腹からもコスチュームを破って一対の脚が生え、手脚の数は6本となった。

 背中からは亀のような甲羅が現れた。

 甲羅の上にはイソギンチャクのような物が乗り、そこから十数本の触手が生えている。

 真っ黒な覆面の下からは蜘蛛のような顔が現れた。

 もはや、明かだった。

 覆面レスラー、クラッシュゴーストの正体は、ガイチュラだったのだ。

「きゃーー、ガイチュラだーー」

「助けてーーー」

「ひいいいいいーーーーー!!」

 会場内は蜂の巣をつついたような大騒ぎとなった。

 逃げ惑う観客の中、席から動かない11人がいた。

 志武兄弟姉妹である。

 下手に動けば、幼いチャコやダイゴは、逃げ惑う観客達に踏まれたり蹴られたりしかねない。

 もっとも、ダイゴは小さくなる事ができるので、体を小さくして安全を確保する事ができるし、チャコに至っては自分の体にあらゆる物を通り抜けさせてしまう能力をもっている。

 2人ともその気になれば自分で自分の身の安全を確保する事はできるのだ。

 志武兄弟たちが動かなかったのは、万が一に備えてツヨシのサポートをするためと、観客達の安全を確保するためだったのである。

 今回のクラッシュゴーストの件、ツヨシたちはもしかしたらガイチュラの仕業ではないかと仮説を立てていた。

 根拠の1つが、クラッシュゴーストがこれまでの試合中、相手レスラーに噛み付くような動作をしていた事だ。

 ガイチュラは人間を食してエネルギーとする。

 直接食べる場合もあれば、吸血鬼のように生命エネルギーだけを吸い取る事もある。

 志武兄弟たちが能力に覚醒した頃、異世界からやってきたファイタスから得た知識だ。

 ツヨシたちが予想したとおり、今回、ガイチュラの一体がプロレスラーに化けて人間のレスラーと対戦し、その強靭な生命エネルギーを自身の糧としていたのである。

 クラッシュゴーストは、覆面レスラーから完全にガイチュラの形態に変貌を遂げていた。

 その全身は亀の甲羅を背負った蜘蛛のようで、甲羅の上にはイソギンチャクのような物が乗り、十数本のうねうねとした触手を生やしている。

 このような生物は、もちろん地球上には居ない。

 あえて呼称するならクモ・カメ・イソギンチャク型ガイチュラとでもいおうか。

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