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322.ボンバーマスク4

 3分21秒。

 あっという間の試合決着だった。

 ライノス斉藤は失神していた。

 全身複雑骨折の大怪我で、試合後病院に救急搬送。

 ボンバーマスク飛鳥竜太郎の時と同じだった。

 その後の報道で分かった事だが、ライノス斉藤には全身骨折の他に極度の衰弱が見られたとの事であった。

 これは飛鳥竜太郎や他のレスラーの時も同様だった。

 当初は、試合後のダメージかと思われたが、それにしては衰弱がひどい。

 ただ、衰弱については数日で元に戻ったため、全身骨折の方が世間的には大きく話題に取り上げられていたのだった。

 ツヨシはコウジと共に、クラッシュゴーストの他の試合ビデオも調べてみた。

 すると、どの試合でも、クラッシュゴーストが不自然に対戦相手のレスラーに口元を触れさせているのが確認された。

 ただ、短い時間であるし、選手たちにも噛まれたと証言した者がいないため、世間でこの事は大きく話題になっていなかった。

 ただ、ネットの一部では、クラッシュゴーストが吸血鬼のように対戦相手の生命エネルギーを吸い取っているのではないかというオカルトめいた噂が立てられていた。

「吸血鬼か……、この噂、確かめてみる必要がありそうだな」

「確かめるって……、にーに、一体どうやって?」

 アオイの問いかけに、ツヨシはいたずらっ子のような顔をして見せた。


 その日のアリーナでは、いよいよプロレスのメインイベントの試合が始まろうとしていた。

 メインイベンターを務めるのは、チャンピオンのホエール鯨井。

 飛鳥竜太郎やライノス斉藤が所属するプロレス団体「ブラストジャパン」のナンバーワンである。

 ブラストジャパンでは、クラッシュゴーストに多くの選手を病院送りにされ、試合のカードを組むのに支障をきたすようになってしまっていた。

 このままでは興行に関わる。

 死活問題だ。

 これ以上選手達を病院送りにされるわけにはいかない。

 ブラウトジャパンとしてはクラッシュゴーストとの契約は早々に解除したい考えだった。

 ただ、それではブラストジャパンがクラッシュゴーストから「逃げた」と思われてしまう。

 負け続けた上にそれでは、ファンも納得しないだろう。

 ホエール鯨井としては、ここで自分がきっちりクラッシュゴーストを倒し、落とし前をつけてから契約を解除するつもりだった。

 それならばファンも納得するであろうからだ。

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