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318.ザンビリオン休息

 志武兄弟姉妹たちは、久しぶりに12人全員そろい、自宅で入浴を楽しんでいた。

 12人全員で入るのは、フランスのナチュリストリゾートに行って以来の事だ(第20話参照)。

 どうやって家庭用の浴室に12人が入る事ができるのか?

 それは、ダイゴ(年少)の「変形・変倍能力」によってである。

 ハヤトの耳の中に入った時のように、小さくなったのだ。

 もっとも、その時は身長数ミリまで小さくなったが、今回の身長は十数センチ。

 洗面器にお湯を張り、その中に12人でつかった。

 お湯が冷えないよう、時々モモコ(小2)が“力”を使い、お湯を“おいだき”した。

「アニキ、疲れたでしょ。肩もんであげるね」

 モモコがハヤト(高1)の背後に回ると、

「あたしも、あたしも~~」

チャコ(年中)も真似してハヤトの後ろに陣取った。

 2人で右肩と左肩を分担して揉む。

「お客さん、だいぶこってますね」

 モモコが言えば、

「こってますね」

チャコも真似する。

「俺たちだって、ずぶ濡れになりながら、ガイチュラやっつけたんだぜ、なあアネキ」

「だよねーー」

 妹2人をハヤトにとられて、ヒロシ(小4)とキイロ(中2)がアピールする。

「じゃあ、アネキはボクがやってあげるね」

 キイロにはダイゴが、

「ヒロ兄には、特別に電気アンマでマッサージを」

ヒロシにはタダシ(小1)がやってきた。

「わあよせ、タダシ。お湯の中でそれやったら、感電しちゃうだろ」

 ヒロシがあわてて走り出し、よろめいて転びそうになった。

「おっと」

 アオイ(大1)がヒロシに「止まれ」の合図のように手の平を向けた。

 ヒロシは転びそうな姿勢から、ゆっくりと体勢を立て直して座る事ができた。

 アオイが念力を使ったのだ。

「アカネ、ザンビリオンはその後どうなるんだ?」

「うん、にーに。マリの話だと、こないだの戦いで、もっとパワーアップの必要がある事が分かったから、実戦配備はもう少し先になるんだって」

 ツヨシ(大2)の問いに答えるアカネ(高2)。

 ロングヘアーをタオルで頭の上にまとめているので、いつもとちょっと印象が違う。

「ねえ、アニキ」

 両肩を好きなようにモモコとチャコにもませているハヤトにミドリ(小5)が声をかけた。

「なんだミドリ?」

「ザンビリオンって、アニキが操縦する陸戦用のグランフォームはどんな姿だったの?」

「あ、それ、俺も気になってたんだよな。どんなの?」

 肩にタオルをやり、洗面器の縁に腰掛けてコウジ(中1)も尋ねた。

「俺もシミュレーターでしかやったこと無いんだけど……。ライオンというか虎というか、獣タイプなんだな。ま、今度ガイチュラと戦う機会があったら、今度はグランフォームも使ってみたいぜ。な~~んか、俺、今回あんま活躍の機会無かったしなーー」

 ハヤトが少々残念そうに言えば、

「その時はまた11人みんなでアニキの耳の中に行くね」

ダイゴが楽しそうに言った。

 けっこう、こないだみんなで耳の中で過ごした事が気に入っているのだ。

「まあ、その時は、みんなもう少しお静かに頼むぜ。11人でわいわいやられて、にぎやか過ぎたからな」

 志武兄弟姉妹たちの笑い声が浴室内にこだました。

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