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260.おるすばん2

 食べ終わったら洗い物をして片付けて、その後は入浴だ。

 てきぱきやらないと、どんどん時間が過ぎてしまう。

「私、チャコとダイゴお風呂に入れるから、ヒロシはモモコ、タダシと洗い物お願いね」

「分かったよ」

 ミドリはチャコ、ダイゴを連れて浴室に向かい、ヒロシは洗い物に取り掛かった。

 ヒロシが洗った食器類を、モモコとタダシが拭いて片付けていく。

「そういやタダシ、宿題終わってなかったんだっけ?」

「うん、あと2つ。モモちゃんは今日宿題無いの?」

「あたしはもう済ませたわよ。そんなの朝飯前、――というか、夕飯前ね」

「俺も夕飯前にやってたんだけどなあ」

「片付け終わったらやればいいじゃない。あと2つなんでしょ?」

「まーーね」

「ほい、モモコ、タダシ、これで最後だ。拭いてくれ」

 ヒロシが最後の2枚の皿を、それぞれモモコとタダシに手渡した。

「ちょっと、拭いてーー!」

 浴室の方からミドリの叫ぶ声が聞こえた。

「「拭いてるよーー」」

 モモコとタダシがハモって答える。

 どたどたどたっ。

 チャコとダイゴが裸で走ってきた。

 まだ、体は濡れたままだ。

「わ、どうしたんだよ、2人とも!?」

 ヒロシが2人を抱き止める。

「なーんか、はしゃいじゃって……、体拭かずに飛び出しちゃったの」

 続いてミドリも濡れた体のまま現れた。

「ほい、モモコ、タダシ、拭いてくれ」

 ヒロシが、さっきと同じ台詞で、チャコとダイゴを、モモコとタダシに差し出した。

「お願い」

 ミドリがタオルを1枚ずつ、モモコとタダシに放った。

「しょーがないなー」

「もー、駄目でしょ」

 タダシがチャコを、モモコがダイゴをそれぞれ拭いてやる。

 幼いながらも、しっかり兄と姉をやっているのだ。

「ねえねも風邪引くから、体拭きなよ。それとも俺が、拭いてやろうか」

「ふーーん。じゃ、お願いしよっかな」

「え、マジで」

 ヒロシは背伸びをして、ミドリの頭から拭いてやり始めた。

 一見、がさつな感じのヒロシだが、実は小学校で、妹のモモコの面倒をみてやったりしていることもあり、結構女の子の扱いは丁寧である。

「ほい、できた」

「これで、いいわ」

 タダシとモモコは、それぞれチャコとダイゴにパジャマまで着せてやった。

「あ、そういえば、私のパジャマ、乾いてないんだった」

 ヒロシに体を拭いてもらい終えたミドリが思い出した。

「アネキが居ないんだから、借りちゃえば?」

「あ、そうだね」

「下着付けてなよ。持ってくるから」

 ヒロシがキイロのパジャマを取りに行った。


 姉のキイロの、やや、ぶかぶかのパジャマを着たミドリは、今度はチャコとダイゴを寝かしつけなければならない。

 絵本を読んでやるのだ。

 毎日、兄姉たちが交替でやっている。

 今日はミドリがやるのだ。

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