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245.異次ナビ3

「こんな都市……、見たこともないわ」

「うむ……、昔のSF漫画か何かに出てきそうな未来都市という感じだな」

 アカネ(高2)とハヤト(高1)も外の風景をきょろきょろと見回す。

「あ、誰か来るよ!」

 タダシ(小1)が車のリアウインドウ越しに後方を指差した。

 小さな人影のようなものがこちらにやってくる。

 その数は、一、二、三……、五つだった。

「ちょうどいい。ここがどこなのか聞いてみようぜ」

 ヒロシ(小4)がほっとした様子で言ったが、

「話が通じればね」

と、ミドリ(小5)がそのほっとした雰囲気を凍らせた。

「ちょ! 何あれ?」

 モモコ(小2)が驚きの声を上げる。

 無理もない。

 こちらにやってくる五つの人影は人間ではなかったからだ。

 ロボットだった。

 四角い顔に、メーターになっている二つの目。

 口を思わせる、横に配列された四角いランプ類。

 頭部にはアンテナ。

 胸も腹も腰も、直方体の組み合わせで構成されたボディ。

 細い金属の棒のようなパーツで作られた腕と足。

 手首から先に指は無く、ハサミのようなマジックハンドのような形状をしていた。

 人間の手指のように細かい作業はできないが、何か物をつかむ事くらいならできそうな手だった。

 古いSF映画に出てきそうなロボットだ。

「あれとお話できるのかしら?」

「さあな……。ともかく、こちらへ来たら話しかけるだけ話しかけ……」

 アオイ(大1)とツヨシ(大2)の会話は中断された。

 突然、こちらに歩いてくるロボットの内の一体が、頭部のアンテナの先から何かを放ったのだ。

 それは、志武兄弟の車の手前の路上に突き刺さり、ジュッという音を立てて刺さった部分を蒸発させた。

 煙が上がり、路面には黒い穴。

「な、なんだ? 今、光線みたいなの撃ってきたよ!」

 コウジ(中1)の言葉が終るか終らないかの内、他の四体のロボットも志武兄弟の車めがけて光線を放ってきた。

 幸いどれも直撃はしなかったが、彼らの車の周囲の路面にいくつかの黒穴を開けた。

「にーに、逃げないと!」

 キイロ(中2)が叫ぶのと、ツヨシが車を始動させるのと同時だった。

 わけが分からないが、あの五体のロボットが志武兄弟達を攻撃対象と認識しているのは確かだ。

 ならば逃げなければならない。

 車が走り出すと、なんと、それまでガチャッ、ガチャッと音と立ててゆっくり歩いていた五体のロボットたちも走り出してきた。

 あんな不格好な姿で、よくそれだけのスピードが出せるなという走りであった。

「うああ、どんどんロボットが迫ってくるよお!」

 ダイゴ(年少)がミドリにしがみつきながら叫ぶ。

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