23.ページェントウィナー
「ページェントウィナー(ミスコンテスト優勝者)は、アカネ・シブ。準優勝はキイロ・シブです」
会場から拍手が沸き起こった。
歓声や口笛も聞こえた。
ナチュリストリゾートへの東洋人の参加が珍しい事もあって、票を集めたのかもしれない。
「おめでとう、アカネ、キイロ」
冠をかぶせてもらったアカネ(高2)とキイロ(中2)に、順にシャルロットが抱擁した。
シャルロットの両親も祝福してくれた。
「よかったな、アカネ、キイロ」
「姉さんたち、おめでとう」
兄弟たちも祝福した。
「あん、くやしいな」
「私も出たかったのに」
年齢が至らなくて出られなかったミドリ(小5)やモモコ(小2)らは悔しがったが、2人の姉がミスと準ミスに選ばれた事は嬉しそうだった。
「え、なになに?」
「コンテストどうなったの」
今までプールで遊んでいた、ヒロシ(小4)、タダシ(小1)、ダイゴ(年少)がやって来た。
「もー、あんたたち」
「お姉ちゃんたちが出てたのに、ちゃんと見てなかったでしょ」
ミドリ(小5)とモモコ(小2)が3人の兄弟たちに言う。
「だって、何しゃべってるか分からなかったんだもん」
「でも、あっちで、友だちできたんだよ」
ヒロシやタダシ、ダイゴが指差した方に、何人かのナチュリストの白人の男の子女の子たちが居て、こちらに笑顔で手を振っていた。