192.同じリアクション
「あ、もうボディーソープが無い」
ヒロシ(小4)がポンプをプッシュしても、もうボディソープが出なかった。
「調子に乗りすぎて、ちょっと使い過ぎちゃったかな?」
キイロ(中2)、ヒロシ、モモコ(小2)、3人での入浴中。
夏休みの宿題を手伝ってくれるお礼にと、ヒロシとモモコは2人がかりで一生懸命キイロの体を洗ってあげたのだ。
さっきは、あまりのくすぐったさにキイロが大声で笑い転げ、何事かと思ったツヨシ(大2)が飛んできた。
「にーに! にーにぃーー!!」
ヒロシが大声でツヨシを呼んだ。
またも、ツヨシが飛んでくる。
「今度は何だ?」
「ねえ、詰め替え用のボディソープある?」
「詰め替え用? ちょっと見てくる」
ツヨシはクローゼットを覗きに行き、ほどなく戻ってきた。
「無い!」
「えーー」
「じゃあ、ヒロ兄、私たちはお湯で流すだけにしようよ」
ヒロシとモモコがそう言ってると、
「じゃーん!」
タダシ(小1)が、ツヨシの背後からボディソープの詰め替え用を突き出した。
「あ、詰め替え用じゃん」
「ヒロ兄、たった今、買ってきたんだよ。はい、これ使って」
「さんきゅ」
ヒロシはタダシから詰め替え用を受け取ると、浴室の扉を閉めた。
キッチンでは、大量に買い込んできた品々を、アオイ(大1)とアカネ(高2)が手分けして収納していた。
「アオ姉、なんか、やたらお菓子があるんだけど?」
「ごめ~ん、ハヤトとタダシが、お菓子お菓子って言うもんだから」
「ハヤトまで? もー、子どもなんだから」
「ちゃんとみんなの分も買ってきたから。アカネのもあるよ、はい」
「やったーー」
アオイからお菓子を手渡されて、アカネは大喜び。
反応一緒じゃん、やっぱり姉弟――と思ったアオイであった。