188.ファンなんです
拍手をしていたのは、アンナの家の帰りの、コウジ(中1)、チャコ(年中)、ダイゴ(年少)だった。
「あ、コウちゃん、今、帰り?」
モモコ(小2)がコウジに飛び付く。
「あれ、なんか石鹸みたいな匂いがするよ?」
鼻をひくひくさせるモモコ。
「モモちゃん、あのね、アンナちゃんちでシャワー浴びさせてもらったの」
ダイゴが答えた。
「アンナちゃん? あー、ダイゴの友達の。へー、そうなんだ」
モモコは、チャコやダイゴにもくんくんした。
「その子、モモコの友達かい」
「うん。同級生のサキ」
「今日は弟妹の友達によく会う日だな。こんにちは、サキちゃん」
「こんにちは」
「サキちゃん、ダンス上手だね」
「そんな、照れますゥ~~」
まんざらでもなさそうなサキ。
「シブリンズのファンなの?」
「ええ。あのメンバーの子たちって、小中学生ぐらいでしょ。あたしもあんな風になりたいなあって思って」
「そうなんだ。なれるといいね」
コウジは、ヒロシとモモコをちらりと見た。
ファンの生の声が聞けて、ちょっと嬉しそうなヒロシとモモコであった。
「あ、ダイゴ君じゃん。こないだ、お風呂で会ったよね」(第18話)
サキが、コウジの横のダイゴに気付いた。
「あ、こ、こんにちは」
女湯で会った事を思い出し、ちょっと恥ずかしくなってしまったダイゴであった。