186.遊びに来てね
アンナの家のバスルームでコウジ(中1)はシャワーを浴びていた。
アンナの母親に勧められたのだ。
コウジは、アンナと、妹チャコ(年中)、弟ダイゴ(年少)の汗も一緒に流してやり、最後に自分の汗を流していた。
縁側のデッキに腰掛けて、コウジ、チャコ、ダイゴ、アンナは、出されたスイカを食べていた。
「コウちゃん、また一緒に遊ぼうね」
アンナはすっかりコウジのことが気に入ったようだ。
「良かったわねアンナ」
母親がジュースの入ったコップをお盆に載せて持ってきた。
「一人っ子だから、3人そろってのひめっこズキュンごっこが、うちじゃできなくて……。今日はみんなに遊んでもらえて良かったわ」
「いえ、こちらこそ、すっかりご馳走になっちゃって」
コウジは、アンナの母親から差し出されたジュースのコップを受け取った。
「良かったら、アンナちゃん、うちにも遊びによこしてください。チャコやダイゴも喜びます」
「ほんとーー!? あたし、コウちゃんち行きたいなーー」
アンナは母親の顔を見上げた。
「でも、ご迷惑じゃ……」
「いえ、うち家族多いんで。1人増えてもどうってことないですから」
「じゃあアンナ、パパと相談してからね」
「やったーー」
アンナはコウジに抱き付いた。
「良かったね、アンナちゃん」
「アンナちゃん遊びに来るの楽しみ」
チャコとダイゴも嬉しそうだった。