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17.会っちゃった
「銭湯って、そういうもんなんだよ。知らない人たちと一緒に入るの」
ヒロシ(小4)がダイゴ(年少)に説明した。
「僕、お兄ちゃんたちと入る事にする」
「男の方だって、知らない人ばっかだぞ?」
「男の人なら平気」
タダシ(小1)に言われたが、ダイゴは男湯なら平気だった。
スーパー銭湯には様々なタイプの風呂がある。
だが、体の小さいダイゴには入れないタイプのものもあるので、大きい兄の誰かがいっしょについて浅い風呂に入っていた。
「あれ、ダイゴ君だ」
小さな女の子の声がした。
見ると、幼稚園で同じクラスのアンナがいた。
「アンナちゃん」
「ダイゴ君も来てたの」
「うん。お兄ちゃんたちと。アンナちゃんは?」
「パパと来たの。ママは女湯」
男湯でなら、同級生の女の子と会っても、ダイゴは平気な様子だった。